シーズン開幕前に加入したウィザーズでフィットせず、先日バイアウトで離脱

ラプターズが、ベテランガードのウィル・バートンと契約した。32歳のバートンは、今シーズン開幕前にナゲッツからウィザーズへ移籍。昨シーズンは平均32.1分のプレータイムで、14.7得点、4.8リバウンド、3.9アシストを記録するなど、長年に渡ってナゲッツの主力として活躍していたが、ウィザーズでは平均19.6分のプレータイムで、7.7 得点、2.8リバウンド、2.4アシストと新天地にうまくフィットしていなかった。

このような事情からバートンは現地2月21日にバイアウトで合意し、ウィザーズを離れていた。そして、プレーオフに出場可能な登録期限となる現地3月1日までに契約を結んだことで、ラプターズの一員としてシーズンの最後まで戦うことができる。一方、ラプターズはバートンの加入に伴いフアンチョ・エルナンゴメスを放出している。

スペイン出身のエルナンゴメスは今シーズンにラプターズへ加入したが、ここまで42試合の出場で平均2.9得点、2.9リバウンドに終わっていた。昨夏のユーロバスケット2022では決勝のフランス戦で27得点を挙げるなど、大会通算で平均12.8得点、5.0リバウンドを記録。母国スペインの大会制覇に大きく貢献し、今年の8月に行われるワールドカップでも中心選手として期待を寄せられているが、NBAの舞台では、中々結果を残せていない。

ウィザーズでは本領発揮することができなかったが、バートンは持ち味の3ポイントシュートなど得点力に関しては実績十分なベテランだ。先日、トレードでスパーズからヤコブ・パートルを獲得して以降、5勝2敗と調子を上げているラプターズは、3ポイントシュート成功率が現在ワースト4位の33.5%と低迷している。スクリーンなど味方のシュートチャンスを作り出すプレーを得意とするパートルの存在もあり、バートンの加入はベンチメンバーの得点力アップに期待が持てる。

12月に6連敗を喫するなど失速し、一時はパスカル・シアカム、OG・アヌノビーら中心選手をトレードで放出しチームの再建に着手するとの噂も上がっていたラプターズだが、コアメンバーは残り、パートルやバートンと的確な補強に成功している。現在は31勝32敗の東カンファレンス9位だが、プレーオフのストレートインとなる6位のネッツとは4ゲーム差と射程圏内だ。徐々に役者が揃い、怒涛の追い上げを見せているラプターズが、シーズン終盤におけるダークホースになってきている。