ジャズを8シーズンで6度のプレーオフ出場に導いた実績
ホークスの新ヘッドコーチに就任したクイン・スナイダーが現地27日に会見を行った。56歳のスナイダーは、ミズーリ大のヘッドコーチを7年間務めた後、複数のNBAチームでのアシスタントを経て2014-15シーズンからジャズの指揮官に就任。昨シーズン終了後に退任するまでの8年間でレギュラーシーズン通算372勝264敗と高い勝率をマークし、6度に渡ってプレーオフ出場に導いている。ちなみにホークスにはアシスタントコーチを務めていた、2013-14シーズン以来の復帰となる。
これまで複数のチームで新指揮官候補に名前が挙がっていたスナイダーに対し、ホークスのランドリー・フィールズGMは、「私たちが求めていた全てを備えている」と全幅の信頼を寄せている。
今シーズン開幕前、ホークスはスパーズとのトレードで即戦力のデジャンテ・マレーを獲得。トレイ・ヤングとのリーグ屈指の強力ガードコンビを結成し、カンファレンス決勝に進出した2020-21シーズンの再来となる上位進出を狙っていたが、オールスターブレイク前までの成績は31勝30敗で東カンファレンス8位と期待外れに終わっていた。そして、ブレイク中にヤングとの不協和音も囁かれていた前指揮官のネイト・マクミランを解任するテコ入れを断行した。
自らの哲学を浸透させる時間がないこのタイミングで、チームを率いて立て直すのは簡単なことではない。特にスナイダーは、アシスタントコーチからの内部昇格でもなく今シーズンのホークスの内部事情について全く知らないところからのスタートだ。彼ほどの実績があれば、この大きなリスクのある選択をする必要はないはずだ。それでも、本人はシーズン終了を待たずにここで就任する決断を下すことは簡単ではなかったと明かした。「これはチャレンジだ。ただ、こういったチャレンジこそ最もやりがいがあり、最高のチャンスになることが多い」
また、スナイダーとの契約に尽力した一人が、アシスタントGMを務めるカイル・コーバーだ。名シューターとしてNBAで17年間を過ごし、2019-20シーズン終了後に引退したコーバーとスナイダーはホークスとジャズ時代に同僚で、「彼とはずっと友人だ」とスナイダーが語る繋がりがある。
フロントの信頼関係を重視するスナイダーは「彼のランドリー(フィールズ)についての思いは、私がランドリーについて聞いてきたことを肯定するものだった」と、コーバーが自分の質問に対して誠実に答えてくれたと感謝する。こういう背景もあり、「このような関係を私は見つけたかった。だからこそ、ホークスはとても適している環境だと思う」と続ける。
ここまでうまくフィットしているとは言えないヤングとマレーの連携など、さまざまな課題を改善し、ホークスが順位を上げていけるのか。それはスナイダーの手腕にかかっている。