自らの過失と真摯に向き合うことで与えられたチャンス
『ESPN』は、バックスがトレイルブレイザーズやヒートでプレーしたマイヤーズ・レナードと10日間契約を結んだと伝えた。
2012年、ドラフト全体11位指名でブレイザーズに入団したレナードは、3ポイントシュートを得意とするビッグマンとしてローテーション入りを果たし、プロ4年目の2015-16シーズンには、61試合に出場し平均8.4得点、5.1リバウンド、3ポイントシュート成功率37.7%と活躍。ヒートに移籍した2019-20シーズンには51試合出場で平均6.1得点、5.1リバウンド、3ポイントシュート成功率41.4%を記録し、その年のNBAファイナル第2戦、3戦に出場している。
だが翌シーズン、彼のキャリアは1つの失言で奈落の底に落ちた。2021年3月、人気ビデオゲーム『Call of Duty』のプレー動画を配信していたレナードは、ユダヤ人を差別する発言をしてしまったのだ。レナードはすぐに謝罪したもののこの発言は大きな波紋を呼び、NBAは発言の3日後に5万ドルの罰金と1週間の謹慎処分を科し、ヒートも無期限の謹慎処分とした。
レナードはこの発言によってヒートの完全な構想外となった。NBAの謹慎処分が解けるとサンダーにトレード、直後に放出され、昨シーズンはどのチームとも契約できず。今シーズンもレイカーズのワークアウトに参加するなどしていたが、未所属の状態が続いていた。
当時、言葉の意味を理解せずに問題発言をしてしまったと振り返るレナードは、自らの無知を反省し、複数のユダヤ人団体を訪問するなど自身の過ちと真摯に向き合っている。これからも大きな十字架を背負い続けることに変わりはないが、セカンドチャンスを与えられるに値する行動をしてきたのは間違いない。10日間という短い契約期間で、そのチャンスを生かせるか。レナードにとってバスケ人生を賭けた戦いが始まる。