NBAニュースやバスケットシューズの紹介動画『クリスのバスケ日記』で中高生を中心に人気を集めているTikTokerのクリス氏。バスケ専門店で長年勤務した莫大な知識を生かし、バッシュに関する様々な情報をお届けします。初回となる今回は、『今流行しているバッシュ』と『ケガを予防するための正しいバッシュの選び方』がテーマです。

接地面増加? 硬い靴下感覚? 今流行っているバッシュは

現在日本で流行しているバッシュは、土踏まず付近が広く、地面との接地面が多いモデルです。

地面との接地面が多いバッシュのメリットはグリップ力です。接地面が多ければ多いほど摩擦係数が上がり、サイドステップなど細かな動きを自在に行うことができます。アシックス社の『UNPRE ARS』やアディダス社の『Harden Vol.4』は通常のバッシュよりも横幅が広く、グリップ力が効くバッシュとして有名。特にジェームズ・ハーデンのモデル『Harden Vol.4』は、ステップワークを武器にするハーデンのプレースタイルに合わせたバッシュとなっています。

また、少し前には、ナイキ社の『Flyknit』のような紐で引っ張る布がなく、足を入れただけでフィットするバッシュも人気になりました。ナイキ社の『KOBE』シリーズを筆頭に、河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)も着用したアシックス社の『GLIDE NOVA』シリーズ、アンダーアーマー社の『Curry10』、アディダス社の『Trae Young 2』、プーマ社の『フュージョン ニトロ スペクトラ』などは『Flyknit』と似たような構造になっています。

これらのバッシュの特徴は、紐でサイズ調整する部分を減らして、履いた時の足とのフィット感でサイズ合わせが完了すること。 もはやバッシュと言うより、硬めの靴下を履くような発想ですね。NBA選手が紐を結ぶのが面倒だということから考えられたバッシュで、紐で縛らない分、足への負担軽減にも繋がるのでオススメです。

少し大きめのサイズはNG? 正しいバッシュの選び方とは

ここからは正しいバッシュの選び方を伝授します。僕が読者の皆さんに一番に覚えてもらいたいのが、『オーバーサイズで履かない』ということです。

オーバーサイズで履くことのデメリットは、大きく分けて2種類あります。まず1つ目は、バッシュはフィット感を重視して作られているものなので、足の大きさと合わないサイズのバッシュを履くと、バッシュ内で足が動いてしまいケガに繋がる恐れがあるということです。上で紹介させてもらった通り、今はフィット感を重視したバッシュが多くなっています。だからこそ、ジャストサイズのバッシュを履くことが、ケガの一番の予防になります。

2つ目のデメリットは、バッシュの機能が発揮されなくなってしまうということです。ほとんどのバッシュは、拇指球(親指の下の丸い骨)の位置にグリップが効く構造になっていたり、指の場所に合わせてパーツが組み合わさっています。これらは当然ながら、ジャストサイズで履くことを想定して作られているので、オーバーサイズで履いてしまうと、バッシュ本来の機能が発揮されないだけでなく、衝撃吸収を担うクッションが無意味になって膝に負担がかかるといったケガにも繋がってしまいます。

横幅はジャストサイズ、縦幅は最大でもつま先から手の親指横幅分までが良いとされています。「ジャストサイズだと横幅が狭い」という理由でオーバーサイズのバッシュを選ぶ人もいますが、これは上記のような理由で好ましくありません。オーバーサイズに慣れた人にとって履き始めて間もない期間は、ジャストサイズのシューズを窮屈に感じるかもしれませんが、履き続ければ足に馴染んできます。ケガ予防やシューズの機能を正しく発揮させるためにも、ジャストサイズのバッシュを選ぶことを強く勧めます。特に、中高生など成長期のレーヤーの方は3、4カ月程度のスパンで新しいバッシュを履くことができると、安全かつ常にジャストサイズのバッシュでバスケができると思います。

実はケガ予防効果がなかった? ハイカット時代の終焉

現在新モデルとして発売されているバッシュは、ローカットとミドルカットの2種類。復刻版を除き、ハイカットのバッシュの新モデルはリリースされていません。なぜハイカットのバッシュがなくなったかと言うと、これまでハイカットのメリットとして考えられていた、足首を固定して捻挫などのケガを防ぐ効果がないことが分かったからです。

ハイカットは、くるぶしの上辺りから足を覆うような形で作られており、足首周りが固定されることでケガの予防になっていると考えられていました。しかし、くるぶしより上を固定していても意味がないということが明らかになったんです。それどころか、くるぶしより上が固定されていることで、地面からの衝撃がうまく分散されず膝へ伝わって、捻挫以上の大きなケガに繋がる恐れまで出ていることも判明しました。4、5年前ほどからハイカットの新モデルは徐々にリリースされなくなり、現在は完全に見られなくなりました。

では、足のケガ予防はどうすれば良いかという疑問が出ると思いますが、その時こそサポーターの出番です。ローカットのバッシュだとサポーターをつける時に邪魔にもなりませんし、サポーターが正しく機能を発揮して足首をしっかり守ってくれます。現在は、サポーターとバッシュをそれぞれ分けて使用した方が効果的だと言われています。

第2回 ハンドラーにオススメしたいバッシュ編(後日更新予定)
第3回 ウイングにオススメしたいバッシュ編(後日更新予定)
第4回 インサイドプレーヤーにオススメしたいバッシュ編(後日更新予定)

クリス
『クリスのバスケ日記』を運営するTikToker(フォロワー19万人)。自身のオススメバッシュやNBAのニュースを勢い良く紹介する動画で中高生を中心に支持を集めている。NBAファンの集うダイニングバー『coast2coast』、バスケットボールショップ『ms-tokyo』のスタッフをしながら動画投稿を行っている。アルバルク東京の小酒部泰暉とは高校バスケ部の同期。好きな選手はレイカーズのレブロン・ジェームズ。

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