パウ・ガソル

「日本の文化や人々との触れ合いは、リフレッシュさせてくれるものでした」

今夏、日本とフィリピン、インドネシアの3カ国で開催されるワールドカップのグローバルアンバサダーへの就任が発表されたばかりのパウ・ガソルが現地2月7日、一部のメディアを対象にしたオンライン会見を実施。個別インタビューの機会を得て、2006年に日本で開催されて自身も出場した世界選手権の思い出や、日本代表の要となる八村塁と渡邊雄太の印象などについて聞いた。

現在のワールドカップではなく、まだ世界選手権と呼ばれていた2006年の日本大会でガソルは、スペイン代表の中心選手として大活躍だった。準決勝のアルゼンチン戦で無念の負傷離脱となり、決勝のギリシャ戦を欠場したものの、平均21.2得点、9.4リバウンドを挙げて優勝の立役者としてMVPにも選出された。

現役生活の間、数々のタイトルをつかんできたガソルは、「優勝という素晴らしい結果を残せて、自分の人生を代表する経験の一つでした」と2006年大会を振り返る。そして、頂点に立てたのは日本のホスピタリティが素晴らしく、日本滞在を楽しめたことも大きかったと強調する。

「まずグループリーグで広島に行きました。優勝するために戦っているので観光をしたりする時間はほとんどなかったですが、それでも何度か外食をしたり周りを散策しました。そして、ホテルのスタッフがとても良くしてくれました。日本の文化や人々との触れ合いは私だけでなく、スペイン代表の多くのメンバーをリフレッシュさせてくれるものでした」

パウ・ガソル

日本へのエール「史上最高の成績を残せるチャンスはある」

そして、レイカーズで2度のNBA制覇を達成するなどNBAでもトップ選手として活躍したガソルは、日本代表の要となる八村と渡邊について「彼らは高い能力を持っています。NBAで活躍する選手であり、代表でも重要な役割を担ってきます」と期待を寄せている。

自身の古巣に加入したばかりの八村についてはこう続ける。「レイカーズにとってトレードで八村を獲得できたのはとても重要なものです。彼はサイズ、スキルセットなど多くの価値をレイカーズにもたらし、チームを良くしてくれます。彼は若いですし、レイカーズの選手としてこのまま成長を続けてくれることを楽しみにしています」

渡邊については、弟で同じくNBAのスター選手だったマルク・ガソルから聞いていたと明かす。「弟のマルクは渡邊とグリズリーズで一緒にプレーしていた時、彼のことを常に称賛していました。彼は細かいプレーをしっかりこなし、3ポイントシュートを得意としている。ネッツではとても高確率で決めていることを知っています」

そして、日本代表について次のようにエールを送る。「日本代表にとって2人がキープレーヤーとなるのは間違いないです。日本にとって史上最高の成績を残せるチャンスはあるでしょうし、それを達成して日本の皆さんが誇りに思うチームになって日本中を沸かせてほしいですね。ただ、もし、この目標に到達できなかったとしても、持っている力のすべてを出し、ベストを尽くしてくれれば日本の皆さんはハッピーだと思います」

また現在、アルバルク東京に在籍し、昨夏のユーロバスケット2022で優勝したスペイン代表のメンバーにも名を連ねたセバスチャン・サイズを「彼は素晴らしい人物です」と選手としてはもちろん、その人柄も称える。

「昨年、僕たちはスペイン代表のトレーニングキャンプで何度か話しました。彼がチームの一員としてユーロバスケットで優勝を経験できたのは良かったです。彼はハードワーカーで、チームファーストな選手。日本で多くの成功を収めているのはうれしいですね。また、代表のチームメートだったパブロ・アギラールが、日本でプレーしていることも知っています。彼らには引き続き日本の文化、生活を楽しんでもらいたいです」

冒頭で触れたようにガソルは2006年大会で日本の文化、人々の優しさに感銘を受けた。だからこそ今回、アンバサダーとして来日することを心待ちにしている。「今回、こうして再び日本を訪れることができるのを楽しみにしています。前回以上に日本の文化などを満喫したいと思います」

日本代表が彼の期待に応えるプレーを見せることができれば、沖縄アリーナの盛り上がりは最高潮に達するはず。是非ともガソルには沖縄の文化、人々の暖かさとともに、沖縄アリーナの熱気を味わってもらいたい。