クリッパーズで腰を手術、バックスでは出番を得られず
サージ・イバカとバックスは、別々の道を進むことを決めた。
コンゴ共和国出身の彼はスペインでのプレーを経て、2009-10シーズンにNBAデビュー。以後、サンダーやラプターズで活躍し、途中に短期間ヨーロッパに戻ってプレーした時期があるもののNBAキャリアは14年目となる。自身初のNBA優勝を勝ち取ったラプターズから2000年にクリッパーズに移籍したが、そこで腰を痛めて手術に踏み切り、そこから以前のようなゴール下でのダイナミックなプレーができなくなっている。
昨年のトレードデッドラインにバックスへとトレードされ、昨シーズン終了後にバックスへの残留を決めた。この時点でジョン・ホーストGMはイバカについて「エリートディフェンダーであり、我々のロスターに厚みをもたらす貴重な存在」と語っており、イバカ自身もバックスで優勝争いに貢献するつもりだったが、実際にはメンターでしかなく、プレーヤーとしての自身の再起が後回しになる状況に納得がいなかったようだ。
今シーズンは46試合のうち出場わずか16試合、プレータイムは11.6分とほとんど出番がない。途中加入だった昨シーズンはローテーションに入っていたのだが、プレーオフになってブルック・ロペスがケガから復帰すると出番を失った。その状況が続いており、ロペスとボビー・ポーティスに続くセンターの3番手という立場。ヤニス・アデトクンボが欠場しても彼のプレータイムが伸びなかったことが決定打になったようだ。
バックスとイバカは何度も話し合った結果、トレードが両者にとって最善と判断したという。イバカは12月に1試合、今月も1試合に出場しただけ。それでも彼がかつてのパフォーマンスを取り戻しているのであれば、多くのチームにとって魅力的な戦力となる。
『The Athletic』によれば、トレード先で最有力となるのはクリッパーズだ。もともとクリッパーズはイバカの能力を高く評価していたが、当時は972万ドル(約13億円)のサラリーを抱えられなかった。それでも今はベテラン最低保証額の290万ドル(約3億8000万円)で済む。それに続くのがサンズとニックスで、サンズとはグレイソン・アレンとイバカでジェイ・クラウダーとのトレードがまとまる可能性がある。ニックスはセンターの層が薄い上にミッチェル・ロビンソンが右手の親指を骨折して最低でも3週間は戦線離脱となる。少なくともしばらくは主力で起用されるチャンスになりそうなだけに、イバカにとっては一番魅力的かもしれない。
ブランクはあるものの、イバカはまだ33歳。彼としては、まだまだ第一線で戦えるつもりなのだろう。ビッグマンの層が厚いバックスでは自分の力を試すチャンスを得られなかったが、新天地での復活に期待したい。