土壇場で追いついた勢いそのままに琉球が延長を圧倒
川崎ブレイブサンダースvs琉球ゴールデンキングスの第1戦は岸本隆一が残り0.6秒に3ポイントシュートを沈めて延長に持ち込み、アレン・ダーラムのアタックでオーバータイムを上回った琉球が93-82で勝利した。
序盤はディフェンスが機能したホームの川崎のペースに。簡単にパスの受け渡しをさせずボールムーブを停滞させると、ミスマッチを突かれた際には熊谷尚也を筆頭にフィジカル負けしないタフなディフェンスで失点を防ぐ。オフェンスでは琉球とは対照的にニック・ファジーカスがミスマッチで確実にスコアし、マット・ジャニングが3ポイントシュート成功と決めるべき選手が決める。さらにジャニングのバックビハインドパスでフリーとなったファジーカスが3ポイントシュートを沈めて流れに乗ると、納見悠仁がスティールから速攻に持ち込むなど、守備から流れをつかんで17-11とリードした。
しかし、第2クォーターに入ると、2-3のゾーンを攻略した琉球がペースをつかむ。ドライブとキックアウトを繰り返してディフェンスを揺さぶり、オフェンス優位な状況を作ると岸本隆一、松脇圭志、牧隼利が3連続で3ポイントシュートを射抜き、一気に追いついた。その後、川崎は今村佳太にミドルシュートを決められて逆転を許したが、ディフェンスをマンツーマンに戻して立て直し、ジョーダン・ヒースのダンクで締めて30-29で前半を終えた。
後半に入ると、ビッグラインナップの川崎は高さのアドバンテージを生かして、ヤングジュニアを起点としたオフェンスを展開。ダブルチームに来られた際には素早くパスを回し、長谷川技が2本連続で3ポイントシュートを射抜く。ヤングジュニアのパスミスから速攻を許すなど一時2点差まで詰め寄られたが、川崎はヤングジュニアに代わったジャニングも個で打開し、5点をリードして最終クォーターを迎えた。
その後もジャニングが3ポイントシュートを沈めれば岸本がお返しと、川崎が突き放しては、琉球が食らいつく展開が終盤まで続く。残り8秒、川崎はジョーダン・ヒースがフリースローを2本とも成功させて3点をリード。負けがほぼなくなった状況だが、ラストプレーでコミュニケーションミスから岸本をフリーにしてしまい、3ポイントシュートを射抜かれ延長戦に持ち込まれた。
そして、オーバータイムは土壇場で追いついた琉球の勢いが勝った。川崎の佐藤賢次ヘッドコーチが「延長戦はディフェンスのところでダーラム選手のアタックを守り切れないまま時間が過ぎていって、そこの対策を出し切れなかった。オフェンスの起点を選ぶのか、ディフェンスの強い選手をコートに出すのかというところでやられてしまった」と振り返ったように、ファジーカスとのスピードのミスマッチを突いたダーラムがハンドラーとなり、積極的にアタックし続け、オーバータイムだけで8得点3アシストを記録。川崎が6本中1本の成功に留まったのに対し、琉球は3本すべての3ポイントシュートを沈める勝負強さを見せ、18-7と圧倒した。
横浜ビー・コルセアーズがレバンガ北海道に勝利したことで、川崎は中地区首位から陥落した。