信州ブレイブウォリアーズ

相手指揮官も脱帽のチームディフェンスで主導権

サンロッカーズ渋谷vs信州ブレイブウォリアーズの水曜ナイトゲーム。前半は互角の展開となったものの、第3クォーターに持ち味の堅守から流れをつかみ、25-10のビッグクォーターを作った信州が91-71で勝利した。

先述の通り、前半は拮抗した。SR渋谷はジェームズ・マイケル・マカドゥが10得点、ライアン・ケリーが9得点と決めるべき選手が得点。さらにオフェンスリバウンドで8-1と圧倒し、セカンドチャンスポイントでも8-0と上回る。しかし、トランジションが機能せずに速攻からの得点が1点に留まったことで流れをつかみきれなかった。

一方の信州はジョシュ・ホーキンソンが合わせから14得点を荒稼ぎし、前田怜緒が4ポイントプレーを含め、4本中3本の3ポイントシュートを沈めて対抗する。岡田侑大は3得点に留まったものの、4アシストを記録しプレーメーカーとして存在感を放った。それでも、岡田が第2クォーター残り2分を切った場面で個人3つ目のファウルを犯し、主力のほとんどが2ファウルとファウルトラブルに陥った。また、1試合平均29本放っている3ポイントシュートは10本のアテンプトに抑えられたが50%と高確率で決めたことで信州が40-38とわずかにリードした。

だが、後半に入ると、勝久マイケルヘッドコーチが「前半はカバレッジだったり遂行力が良くなかったですが、第3クォーターから選手たちの表情は素晴らしくて、メンタルが強く素晴らしいエナジーで戦った。遂行力が上がれば上がるほど、我々のやりたいバスケができる時間帯が多くなっていった」と語ったように、ディフェンスの精度が増したことで信州が一気にペースをつかんだ。

SR渋谷の浜中謙ヘッドコーチも苦戦したこの時間帯をこう振り返っている。「信州さんは素晴らしいチームディフェンスで、クローズアウトに対して、ものすごく力を入れていると思います。ドライブしてもズレができずにブロックされたり、ギャップがなかなか生まれなかったです」

信州は持ち味の堅守を取り戻したことでオフェンスも活性化し、ホーキンソンと三ツ井利也が速攻を決めると、ピック&ポップからホーキンソンの3ポイントシュートも飛び出す。さらに外を警戒する相手に対し、アンソニー・マクヘンリーと岡田がドライブで得点と、内外バランスの良いオフェンスを展開。こうして、25-10と第3クォーターを圧倒した。

最終クォーターに入ると、ホームのSR渋谷はケビン・ジョーンズのポストプレーを強調してインサイドで確実にスコアすると、マカドゥのコースト・トゥ・コーストも決まり、開始4分強で点差を1桁に戻した。だが、このプレーで過度にファウルをアピールしたことでベンチテクニカルをコールされ、反撃ムードを自ら潰してしまった。浜中謙ヘッドコーチも「選手を鼓舞するためでもありましたが、完全に私の責任です。9点差まで詰めたのに、信州さんは20本フリースローを決めていて、そういうチームに対してやってはいけなかった」と反省した。

信州はこの試合で得た22本のフリースローをすべて成功させている。岡田のフリースローでリードを2桁に戻すと、マクヘンリーが長距離砲を沈めてリードを拡大。最大のピンチを乗り切った信州は岡田とホーキンソンにボールを集め、時間を進めつつ2人が確実に加点し、結果的に20点差の大勝を収めた。