バックス戦後にはミドルトンにアドバイス
スパーズを率いて23年目に突入した名将グレッグ・ポポビッチは、アメリカ代表ヘッドコーチも兼任している。今年の4月、USAバスケットボールは2019年8月から9月に中国で開催されるFIBAワールドカップ、そして2020年に開催される東京五輪の代表候補35名を選出した。この夏にはラスベガスで代表ミニキャンプを実施し、ポポビッチは、代表候補たちとコミュニケーションを取った。
現在はNBAのレギュラーシーズンで采配を振るう多忙な日々を送るポポビッチだが、名将は常に代表のことも意識しているようだ。そして、一番良い席で代表候補選手のプレーを目の当たりにできる『特権』を生かしている。
129-135でバックスに敗れた11月24日、ポポビッチは、今シーズン好調を維持しているクリス・ミドルトンに、ある言葉をかけた。その内容を、『San Antonio Express-News』に明かした。
「彼には、『この場に相応しい実力を持っているように振る舞ってもらいたい』と伝えた。それが彼に必要なことだし、今シーズンはそういうプレーをしている。それは、自信が関係していることなんだ。簡単なように聞こえても、実は簡単ではない」
夏のミニキャンプに参加したミドルトンは、バックスの狙撃手としてエースのヤニス・アデトクンボをサポートし、チームの躍進に貢献している。今シーズンは平均19得点、5.6リバウンド、4.1アシスト、フィールドゴール成功率45%、3ポイントシュート成功率41.2%を記録しており、このままチームが東カンファレンス上位をキープし続けられれば、キャリア初のオールスターゲーム出場の可能性も見えてくる。ポポビッチは、スパーズ戦で21得点を記録したミドルトンに期待しているからこそ、堂々とプレーするように伝えた。ワールドカップ、そして東京五輪を戦うメンバーは、オールスター揃いの超豪華メンバーになることは間違いないが、ミドルトンのようにシューターとして優れ、チームメートのチャンスを作れる選手もチームには欠かせない。
ミドルトンのケースのように、ポポビッチは他チームと対戦している時にも、代表チームについて考えを巡らせているという。
「他チームの選手を見て、(代表に)フィットするんじゃないだろうかとか考えてしまうし、チームでやりたいことなど、色々とメモを取ってしまっている。代表のことを全く考えていないと言ったら、不誠実な人間になってしまうよ」
最優先すべきはスパーズのシーズンだが、これからもポポビッチは、アメリカ代表候補に選出されている選手に気を配り、気づいたことがあればアドバイスを送るのだろう。ポポビッチ流の代表チーム作りは、すでに始まっている。
Khris Middleton dropped 21 points on 57% shooting in 34 minutes tonight!!#FearTheDeer pic.twitter.com/qIkAikPnEF
— Milwaukee Bucks (@Bucks) 2018年11月25日