オールスター前の区切りの一戦を勝って終えるのはどのチーム?
秋田ノーザンハピネッツ(14勝14敗/東4位)vs千葉ジェッツ(24勝4敗/東1位)
前節の秋田はアウェーで滋賀に連勝し勝率を5割に戻した。直近の4連勝は大勝ではないものの、しっかり粘り強さを見せて勝負どころで相手を引き離している。前節に2桁得点を挙げた保岡龍斗と古川孝敏の両ウイングの攻守に渡る活躍に期待したい。千葉Jが武器にしている3ポイントシュートを秋田のディフェンスがどのように対策し、封じられるかが注目ポイントだ。一方、前節の千葉Jはジョン・パトリックヘッドコーチが体調不良で不在となったが、三河を相手に盤石の強さを見せて連勝した。これで先月から10連勝と、現在リーグ最高勝率を誇っている。どこからでも得点が取れるオフェンスに加えて、相手のシュート成功率を下げる強固なディフェンスと隙のないバスケを展開。前節も両日ダブル・ダブルと好調だった帰化選手のギャビン・エドワーズでアドバンテージを取りたいところ。両チームとも3ポイントシュートの試投割合が高いチームのため、良い形をクリエイトして外のシュートで流れをつかみたい。
群馬クレインサンダーズ(16勝10敗/東3位)vs茨城ロボッツ(9勝19敗/東6位)
昨シーズンにB1に昇格した同期による北関東ダービー。先月の対戦では両日1ポゼッション差の大接戦の末、1勝1敗の痛み分けに。前節の群馬はマイケル・パーカーとケーレブ・ターズースキーが欠場という緊急事態ではあったが、仙台に連勝した。オフェンスの起点となるトレイ・ジョーンズと並里成の活躍に加えて、今シーズンなかなか調子の上がらなかったジャスティン・キーナンがこれまでを払拭する活躍を見せた。今節もパーカーの欠場が予想されるが、ターズースキーの出場は不透明なため、チーム全体で戦っていきたい。一方、前節の茨城は島根に連敗を喫した。第1戦は100点ゲームでの敗戦となったが、第2戦はカムバックし最後まで勝敗のわからない展開に持ち込んだものの惜敗となった。先月末から加入したキャメロン・クラットウィグが徐々にチームにフィットしてきており、今後はより成熟してくるだろう。また、ここのところ攻守で存在感を出している中村功平や山口颯斗のさらなる活躍にも期待がかかる。お互いにオフェンス力が高いチームであるため、ディフェンスでどれだけ踏ん張れるかが勝敗を分けるポイントになりそうだ。
サンロッカーズ渋谷(12勝14敗/中4位)vs川崎ブレイブサンダース(16勝12敗/中1位)
なかなか波に乗れないSR渋谷は直近10試合で2勝8敗と大きく負け越している。そろそろきっかけをつかみたいところだが、前節は浜中謙ヘッドコーチがインフルエンザで不在となり、京都に1勝1敗と星を分けた。外国籍選手3人に加えてベンドラメ礼生も両日2桁得点と取るべき人がしっかり得点を取れている。ただし、2試合で36本のオフェンスリバウンドを京都に許しているため、今一度全員でリバウンドの意識を高めて今節に臨みたい。一方、こちらも波に乗れない川崎。中地区首位ではあるが、前節はA東京に連敗し、ついに勝率で横浜BCに並ばれた。マット・ジャニングが第2戦で24得点と完全復帰を見せたのは好材料だが、今シーズンはターンオーバーの多さが目立つため、修正は急務だ。ディフェンス面では、多用している2-3ゾーンが、まだまだ成熟する伸び代を持っているため強化に期待したい。両チームともディフェンスでハッスルして相手のシュート成功率を下げられるか、そしてディフェンスリバウンドを確実に回収できるか鍵となる。
富山グラウジーズ(6勝22敗/中7位)vs横浜ビー・コルセアーズ(16勝12敗/中2位)
今シーズン苦しんでいる富山と快進撃を見せている横浜BCの一戦。実はこの対戦は2017-18シーズンの残留プレーオフで横浜BCが勝利したのを最後に、レギュラーシーズンでは富山が負けなしの13連勝中である。富山は現在4連敗中で、直近4試合はいずれも80点以下とオフェンスの不調が影響している。小野龍猛や野﨑由之、松井啓十郎は2桁得点を挙げているので、インサイドの両外国籍選手からの展開で、今節もしっかり3ポイントシュートを射抜きたいところだ。前節は2試合とも第4クォーターで踏ん張れずに連敗したため、40分間の継続力が試される。一方の横浜BCは琉球と星を分け、ついに中地区首位の川崎と勝率で並んだ。第1戦はディフェンスが機能して琉球を51点に抑える完封勝利。第2戦も前半は前日の流れを引き継ぐ文句なしの展開だったが、第3クォーターから流れをつかまれ、最終クォーターに逆転を許す悔しい敗戦となった。全員が連動したチームディフェンスからのトランジションと、流れの良いオフェンスに繋がっているため、今節もまずはチームで富山をしっかり守りたい。相性の良さで富山が連敗脱出となるか、積年の鬱憤を横浜BCが晴らすか、注目の一戦だ。
三遠ネオフェニックス(12勝16敗/中5位)vs新潟アルビレックスBB(4勝24敗/中8位)
年末に状態を持ち直したように見えた三遠だが、千葉Jと広島という上位チームとの対戦だったこともあり4連敗中。前節はアイゼイア・ヒックスの欠場も響き、オフェンスが停滞する時間帯も見られた。そんな中、細川一輝は高確率で3ポイントシュートを成功させて2桁得点を記録。サーディ・ラベナや佐々木隆成といった優秀なプレーメーカーがいるだけに、得点が滞る時間をいかに減らせるかが重要なポイントとなる。一方、新潟は前節信州に勝利して連敗を8でストップ。前回SR渋谷に勝った時以来9試合ぶりに得点を80点以上に乗せた。勝利した信州戦では第1クォーター終盤からリードを奪い、そのまま逃げ切ったため、今節も早い段階で主導権を握りたいところ。ただし、この試合はケヴェ・アルマが出場停止となるため、澁田怜音や杉本天昇、遠藤善といった日本人選手のステップアップが必要だ。両チームの中核を担う若手日本人のマッチアップや、ダニエル・ギデンズとコフィ・コーバーンのセブンフッター対決にも注目だ。
シーホース三河(10勝18敗/中6位)vs信州ブレイブウォリアーズ(14勝14敗/中3位)
現在6連敗中と苦しい状況が続く三河。前節の第2戦は西田優大とセドリック・シモンズが欠場となり、今節の出場も不透明。長野誠史とダバンテ・ガードナーを中心に良いオフェンスができている時間帯があったものの、千葉Jにオフェンスリバウンドを取られて、2試合でセカンドチャンスポイントを50点も許してしまった。トンネルから抜け出すためにもあらためてディフェンスやリバウンドといった基本的なところを大事にして今節に臨みたい。一方、前節の信州は勝率5割で新潟戦に臨んだが、1勝1敗で2ゲームしか離れていない上位チームを追い上げるチャンスを逃してしまった。やはり失点を70点以下に抑えてロースコアで勝つというのが信州の勝ちパターンであるため、今節も全員で三河のオフェンスを弾き返したい。オフェンスでは熊谷航と岡田侑大が好調のため、ジョシュ・ホーキンソンとの連携から日本人選手がいかに得点できるかが鍵となる。まだリーグ戦を半分消化していないが、信州にとってチャンピオンシップ進出はワイルドカードよりも地区2位の方が現実的であるため、これ以上取りこぼしは許されない。