水野宏太ヘッドコーチ「良い準備ができていただけに悔しい」

1月4日、群馬クレインサンダーズvs横浜ビー・コルセアーズの天皇杯クォーターファイナルが行われた。勝てば琉球ゴールデンキングスが待つセミファイナルへの進出が決まる大一番は、横浜BCがラスト約3分間を13-0とし、80-77の大逆転勝利を収めた。群馬にとってはつかみかけた勝利が最後の最後でこぼれ落ちた悔しい敗戦となった。

天皇杯はBリーグの日程を縫うようにして開催されており、奇しくも年末の第15節に両チームは対戦しており、1勝1敗と星を分けていた。チャンピオンシップ以外では同一チームとの3連戦は稀だが、水野宏太ヘッドコーチは「前回の横浜BCとの2試合から、ディフェンスの部分で中心となるベーシックな部分をもう一度しっかりと洗い出した中で、強度やポジショニング、チームでやりたいことを精査し練習してきた」と話すように、中3日で良い準備ができていた。

さらに「連戦が続くと難しいが、このチームはしっかりと準備と練習ができた時は良いパフォーマンスを発揮する。準備してきたプレーは間違いなく効いていました。準備の段階でのミスはなかった」と評価するように、リーグ戦の2試合で課題となったディフェンスやターンオーバーを修正して、群馬は15点(63-48)をリードして第3クォーターを終えた。しかし、最終クォーターに入ると徐々に流れが横浜BCに傾き、残り2分50秒のケーレブ・ターズースキーの2ポイントシュートが群馬にとって最後の得点となり、0-13のランを受けて逆転を許した。

試合後の会見に出席した水野ヘッドコーチは今シーズンで一番の悔しい表情を浮かべながら、次のようにファンへの思いを語った。「天皇杯であろうとリーグの試合であろうと一緒に戦ってくれているファンの人たちと次の景色を見に行くと決めていました。それを叶えることができなかったのは悔やまれるし納得できない結果です」

「オフェンスもディフェンスも自分たちがやろうとしていることをやり切れなかった」

今シーズンから群馬の先発ポイントガードを担う並里成は、高校の後輩にあたる河村勇輝とのマッチアップを楽しみにしていた。最終盤以外は河村のリズムを崩すことに成功して横浜BCの勢いを抑えていただけに「終わり方が良くなかったですね」と、悔しさを浮かべる。

この日の並里はフィールドゴール成功率20.0%と良くなかったものの、プレーメークを任されるポイントガードとして9アシストを記録。もちろんアシストのみならず、ゲームコントロールやディフェンスなどチームへの貢献度は非常に高い。そして、対戦相手の調子の良し悪しではなく、あくまで自分たちのプレーができているかにフォーカスしている。「自分たちから流れを渡してしまった。相手に流れを持っていかれる前に自分たちで流れを止めることができたはず」

また、並里は『セイムページ』という言葉を使うが、この試合でもそれが徹底できなかったと話す。「オフェンスもディフェンスも自分たちがやろうとしていることをやり切れず、一人ひとりの感覚でバスケしてしまい、お互いに迷いが出ていた」

昨シーズンまで所属していた琉球との試合は1月末に組まれているホームでの2試合のみで、プレシーズンゲームが沖縄アリーナで組まれていたが並里は自身のケガにより出場が叶わなかった。この試合に勝てば沖縄での天皇杯セミファイナルだったが「昨シーズンの最後にコロナや気胸になってしまい、沖縄のファンの皆さんの前ではプレーできていなかったので、ここがチャンスかなと思っていました。チャンピオンシップか来シーズンに良い姿を見せられたらと思います」と残念そうに語った。水野ヘッドコーチも「(並里)成を沖縄に連れて行きたかった」と悔しそうに話した。

この一点だけを見れば選手、スタッフに限らずファンにとってもショッキングな敗戦となった。しかし、まだリーグの戦いは続いていく。水野ヘッドコーチも並里も群馬では1シーズン目のため、シーズンを通じた成長や成熟はまだまだ見られるだろう。この敗戦を糧にして、チームがさらに強くなることに期待したい。