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ウェストブルックとハーデン、千両役者の対決

サンダーとロケッツ、西カンファレンスの強豪同士の対戦。サンダーのラッセル・ウェストブルック、ロケッツのジェームズ・ハーデンという絶対的エースがチームを牽引する、同じようなチーム構成の対決は最後までもつれる接戦となった。

2人のエースは周りを生かしながら試合を進めていく。ベンチメンバーの層で上回ったロケッツが前半を終えて55-49とリードし後半へ突入した。

サンダーは中盤にトランジションを早め、ビクター・オラディポの速攻で3点差に詰め寄る。それでもロケッツは要所でハーデンがピック&ロールから自ら得点し、バランス良くパスを散らして的を絞らせない。

9点を追う最終クォーター、サンダーはボールへのチェックを強め相手のファンブルを誘う。ペイントエリアに侵入されても集中力を切らさず、ギリギリのブロックやシュートチェックでゴールを死守する。中でもジェラミ・グラントが終盤に3ブロックショットを決め、ハーデンの1on1もダブルチームで封じ込み、反撃の土台を作った。

ウェストブルックの1on1攻勢で追い上げ、残り54秒にフリースローを獲得して、100-99の1点差に詰め寄る。そして逆転を狙うポゼッションを当然のようにエースに託した。すでに7試合連続のトリプル・ダブルを記録し、オスカー・ロバートソンとマイケル・ジョーダンの記録に並んでいたウェストブルックは、自信満々でリングへと向かう。

全身全霊を込めたビバリーの守備が勝利を引き寄せる

だが、ここで『ミスター・トリプル・ダブル』の前に立ちふさがったのがパトリック・ビバリーだ。残り54秒の時点ではファウルで止めたビバリーだが、チームファウルがかさんでノーファウルでしのがなければいけない状況、抜くコースを決して作らない対応で2ポゼッション連続でタフショットを打たせる。

最後はロケッツのトレバー・アリーザがこのリバウンドを拾い、ファウルゲームからフリースローを2本とも沈めて、102-99と接戦をモノにした。

ロケッツはハーデンが21得点9リバウンド12アシストとトリプル・ダブル級の活躍。出場選手が全員得点でチーム一丸の勝利となった。

敗れたサンダーはウェストブルックがゲームハイの27得点10リバウンド10アシストで7試合連続トリプル・ダブルを達成したものの、チームの連勝は6でストップ。決めれば勝っていたであろう終盤のプレーについて「ミスだ、簡単なシュートを自分がミスしてしまった」と吐き捨てた。

殊勲のビベリーは言う。「彼は本当に本当に本当に本当に良いプレーヤー。みんな『彼にトリプル・ダブルなんてやられるなよ』って簡単に言うけど、リーグ最高の選手だよ。運良く止めることができて、チームの勝利につながった」

「でも楽しかった。ウェストブルックとの1on1はまるでストリートバスケだ」

今日のトリプル・ダブルでジョーダン、ロバートソンに並んだウェストブルックだが、逆転となるシュートをことごとく外しチームを勝利に導くことはできなかった。勝利したロケッツは16勝7敗で3位のクリッパーズに並んだ。