開志国際

インサイドを支配し、着実にスコア

ウインターカップ決勝戦で福岡第一と開志国際が激突した。

インサイドで分がある開志国際はバシール・ファイサル・モハメッドが6連続得点を挙げれば、武藤俊太朗もプットバックを決め、介川アンソニー翔がゴール下で加点していく。

一方の福岡第一は3ポイントシュートと速攻で対抗。小田健太と轟琉維、平岡倖汰が3ポイントシュートを沈め、崎濱秀斗がボールをプッシュし、速攻を連続で成功させた。堅守速攻の得意の形が出た福岡第一がわずかに上回り、27-22で第1クォーターを終えた。

第2クォーターに入ると、インサイドの警戒が増した状況で平良宗龍が違いを作る。積極的にゴールを狙い2本連続で3ポイントシュートを沈めると、直後には平良がマークマンを2人引き付けて、フリーの澤田が3ポイントシュートを決めた。ゾーンに入った平良はステップバックのタフな3ポイントシュート、トランジションからの強気な3ポイントシュートを沈める。平良の活躍により、3分半で15-0のランを決めた開志国際が2桁のリードを奪った。

反撃したい福岡第一だったが、インサイドで起点が作れず、外角シュートの精度が下がりなかなか点差が縮まらない。頼みの綱の轟もパスミスからバスケット・カウントを献上してしまうなどピリッとせず、11点ビハインド(36-47)のまま前半を終えた。

後半に入っても福岡第一は苦戦が続く。個での打開が目立つ中で外角に当たりが来ず、ペイントを攻めれば強力なインサイド陣の前にタフショットを打たされ、得点が伸び悩んだ。さらに開始3分半で轟が個人3つ目のファウルをコールされ、ディフェンスの強度が上がらずに堅守速攻が出せない。こうして、オフェンスではインサイドの強みを生かしつつ、武藤が外から射抜くなど、バランスの取れたオフェンスを展開した開志国際がリードを16点に拡大した。

だが、最終クォーターに入ると、福岡第一の反撃が始まる。ディフェンスの強度を最大限に高め、前線からプレッシャーを与えると、連続スティールから3ポイントシュート、ワンマン速攻を成功させる。そして、開始2分半には轟の3ポイントシュートが決まり、点差を1桁に戻した。

それでも、開志国際は福岡第一の圧力に飲み込まれなかった。澤田竜馬が冷静にプレスを突破し、武藤が大事な場面で攻守に活躍し落ち着きを与える。強みのインサイドでスコアして主導権を渡さず、残り4分半には武藤の速攻が決まって17点リードまで押し戻した。

絶体絶命の福岡第一は最後のタイムアウトを取ったが、チームファウルがすでに5に達している状況で、堅守速攻のスタイルを体現できなかった。こうして、インサイドのアドバンテージを最大限に生かした開志国際が最終スコア88-71で勝利し、ウインターカップ初優勝を遂げた。