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「若い選手が成長している姿を見るのは楽しいものだよ」

チームの象徴だったティム・ダンカンが引退したスパーズは、カワイ・レナードを中心とした新チーム作りを進めている。開幕から23試合を終えて18勝5敗という成績を残し、ここまでは昨シーズンまでと何も変わらないように見える。その一方で、指揮官のグレッグ・ポポビッチは『AP通信』の取材に対し、新たなチーム作りについて「試練であり、リフレッシュでもある」と語った。

「選手の顔ぶれという意味でチームは変化している。新顔もいるので、これまでと幾分か異なるやり方を取らないといけない。チームにとって適したやり方を見つける上では、戦術面での自己犠牲も必要になる。だが、私は楽しんでいる。若い選手が出場機会を得て、成長している姿を見るのは楽しいものだよ」

ダンカンは表立ってリーダーとして振る舞うタイプではなかったが、チームの精神的支柱だった。その役割を将来的にはレナードが担うようになるだろうが、今のチームにはダンカン時代を支えたトニー・パーカー、マヌ・ジノビリというベテランが健在で、目に見えないところでレナードを支えている。

ポポビッチはチームリーダーの存在について、「長期に渡りチームを引っ張ってきたティミー(ダンカンの愛称)がいなくなった今、チームがどういう風に成長するかを見るのは楽しい」と語る。

先月テキサス州の高校生を対象とした講演でポポビッチは「NBA優勝は人生において最優先することではない」と語っている。不甲斐ない試合をした後に飛び出す手厳しい発言は相変わらずだが、ポポビッチ自身も指導者としての心境や思考に変化が起こっているのかもしれない。

ともに黄金時代を作り上げたダンカンが引退。それでも、転換期を迎えた現状を楽しんでいるというポポビッチ。