オーバータイムでわずか2失点と堅守を見せてラプターズとの激闘を制す
現地19日、セブンティシクサーズがホームでラプターズと対戦し、オーバータイムの激闘を104-101で勝利した。
試合は第2クォーターにシクサーズが35-23のビッグクォーターを作り出し、前半を終えて57-46とリードを奪う。しかし、第3クォーターに入るとこの試合で38得点と大暴れだったパスカル・シアカムを中心としたラプターズに1-19のランを成功させられてしまい第4クォーター序盤には7点のビハインドを負ってしまう。盛り返したいシクサーズはここからディフェンスを立て直し、オフェンスでは大黒柱のジョエル・エンビードとジェームズ・ハーデンの2人が終盤にしっかり得点したことで残り1分半に3点をリードする。しかし、2点差で迎えた残り5秒、シアカムにオフバランスの状態からフィンガーロールでタフショットを決められてしまい土壇場で追いつかれる。
オーバータイムはお互いにシュートが入らない息詰まる守り合いとなるが、シクサーズは同点で迎えた残り2分12秒にトバイアス・ハリスの3ポイントシュートで勝ち越す。さらに次のオフェンスでもハリスがスコッティ・バーンズのファウルを受けながら値千金の3ポイントシュートを決め、会場は大盛り上がりとなる。しかし、この得点はスクリーンをかけたPJ・タッカーのオフェンスファウルと判定され取り消されてしまう。
さらにシクサーズは次のポゼッションでもスクリーナーのディアンソニー・メルトンがオフェンスファウルを取られ、フラストレーションが溜まる展開に。だが、それでも集中力を切らさなかったシクサーズは、オーバータイムでわずか2失点の堅守を見せロースコアの死闘を制した。
28得点11リバウンド4アシストを挙げたエンビードは判定に対する直接的な批判をするとリーグから罰則を科されることもあり、間接的な表現で憤りを語る。「苦情を言うつもりはないけど、おそらくNBAに入ってから最も馬鹿げた試合だった。この試合について言えるのは、これだけだよ。試合に勝ててうれしい。ただ、試合の内容については馬鹿げている」
このように苛立ちを隠さないエンビードだが、オーバータイムの決勝弾を含む5本の3ポイントシュートを成功させ21得点を記録したハリスについては「シューターの役割において、彼はスター選手だ」と絶大な信頼を寄せる。「今日のようなビッグショットを決めるプレーを彼はシーズンを通してやってくれている」
指揮官のドック・リバースも「あの判定については理解できない」と不満を明かすなど後味の悪い終わり方だったが、それでも「酷い内容でも勝ちだ」とエンビードが語るように今シーズン最長の5連勝を達成できたことは大きな意味がある。どんな内容でも粘り強く勝ち切れたことは大きな収穫であり、この勝利を弾みにして上昇気流に乗っていきたい。