代表生き残りへ、静かに闘志を燃やす鎌田裕也「高さがない時こそ身体を張って」

2018/11/22
日本代表
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鎌田裕也

文=丸山素行 写真=鈴木栄一

内に秘めた攻撃性「削るくらいのイメージで」

昨日、Window5に向けた日本代表の強化合宿が公開された。今回の代表で焦点となるのが、渡邊雄太と八村塁の不在をいかに埋めるか。連勝を義務付けられたホーム2連戦で目標を必達するには、まずはオフェンスよりもディフェンスで、アジアの高さと強さに負けないことが前提となる。そんな状況で、代表定着に向けて黙々と練習に打ち込んでいたのが川崎ブレイブサンダースの鎌田裕也だ。

「ジョーンズカップから参加させていただいて、その後も招集されているので、ここまでは定着したなという気持ちはあります」と鎌田は言う。ただ、Window4でも予備登録メンバー24名に入ったが、12名のエントリーメンバーには残れなかった。ここを乗り越えるのが今の課題だ。

がっしりとしたその体躯を生かし、泥臭いプレーでチームに貢献する鎌田にとって、渡邊と八村の2人がいない今回はチャンスだ。「今回は高さがない分、身体を張って相手のビッグマンに仕事をさせないことが大事。相手は大きいので削るくらいのイメージで、スクリーンもがっつりいきたいです」

オフェンスの中心は間違いなくニック・ファジーカスとなる。鎌田は川崎でファジーカスとともにプレーしており、連携では一日の長がある。篠山竜青、辻直人の存在もあり、「川崎でやっているようなこともやるので、いつも通りにできるのではないか」とアドバンテージを語った。

「ファーストオプションはニックなので、そこをどれだけ生かせるか」とポイントを挙げた鎌田は、「ズレが起きるようにスクリーンをかけて、ポップしてミドルシュートを狙う」と、ただスクリーナーとしてお膳立てをするだけでなく、自らも得点を狙うとアピールした。

鎌田裕也

「短い時間でどれだけアピールできるか」

それでも、ベンチ入りの12名に残るのはそう簡単ではない。日本代表において自分が置かれた現状を鎌田は「悔しい思いと、仕方ないという思いが半分ずつ」と素直に明かす。

「川崎にはニックがいて、外国籍選手も2人います。プレータイムもそこまで長いわけではないので、ある程度は仕方がないと思っています。でも、チームにどれだけ貢献できているかを見てもらっての代表招集だと思うので、短い時間でどれだけアピールできるかを続けていきます」

プレータイムは10分前後、しかも役割はファジーカスと外国籍選手を休ませるための『繋ぎ』をもとめられることが多く、チームへの貢献を考えれば派手なプレーは自重し、スクリーンやペイント内での身体を張ったプレーなど、数字に残りにくいプレーをこなさなければならない。ただ、その自己犠牲を見ているからこそ、川崎のファンは鎌田に肩入れする。

それは代表でも同じ。それでも鎌田は「泥臭いことをどれだけできるかですね。ラマスはちゃんと見てくれていると思います」と、代表でも自身のスタイルがブレることはない。

今回のWindow5、得点力の部分ではペリメーター陣が奮起して埋めることが求められる。だが、そのペリメーター陣を生かすも殺すも、スクリーナーの技量に懸かっている。スクリーンの角度やタイミングや場所など、スタッツに表れないプレーの一つひとつに注目することもまたバスケットボール観戦の醍醐味の一つだ。泥仕事をブレずに遂行し続ける、鎌田のサバイバルレースはこれからも続く。