広島ドラゴンフライズ

決勝点もセカンドチャンスポイントから

広島ドラゴンフライズがホームに名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎えた一戦は、名古屋Dのゾーンディフェンスに苦しんだものの、オフェンスリバウンドで圧倒し32点ものセカンドチャンスポイントを積み上げた広島が80-79の接戦を制した。

名古屋Dはスコット・エサトン、レイ・パークスジュニアの2人が欠場し外国籍選手2名での戦いを強いられ、さらに張本天傑も試合に出れず8人でのローテーションとなった。そのため、広島が有利に試合を運ぶかに思われたが、名古屋Dのゾーンディフェンスにリズムを崩されたことで得点が伸び悩み、31-36とビハインドを背負って前半を折り返した。

それでも、後半に入ると徐々にゾーンを攻略し始めた広島のペースに。前半から絶好調だったオフェンスリバウンドで違いを作ると、前半は精度を欠いた長距離砲が炸裂する。寺嶋良が3本、辻直人と朝山正悟がそれぞれ2本の3ポイントシュートを沈め、11本中7本(63.6%)と高確率で3ポイントシュートを成功させたことで32-20のビッグクォーターを作った。

流れに乗った広島は最終クォーター開始早々にケリー・ブラックシアー・ジュニアがセカンドチャンスから3点プレーとなるバスケット・カウントを奪い、リードを2桁に乗せた。このまま、リードを拡大したいところだったが、軽率なファウルが増え、開始3分でチームファウルが5に達してしまう。そして、ここからディフェンスの強度が下がると、このクォーターだけで15得点を許した齋藤拓実を筆頭とした名古屋Dの反撃を受け、残り3分半に逆転された。ここから互いに決定打を欠き守り合いが続いたが、広島は残り18秒にブラックシアー・ジュニアがオフェンスリバウンドをもぎ取り、値千金のセカンドチャンスポイントで80-79と勝ち越した。

直後、エンドからのリスタートの場面で、ドウェイン・エバンスがボールを受ける前に齋藤にファウルを犯し、1本のフリースローを与えてしまう。ここまで9本連続でフリースローを成功させてきた齋藤だったが、決まれば同点となるフリースローをミス。そして、逆転を狙った齋藤の3ポイントシュートが外れ、広島が辛くも逃げ切った。

6本の3ポイントシュートを含むチームハイの23得点を挙げた辻は「相手の主力選手がいない中で苦しい戦いでした。ゾーンディフェンスに対して、有効的な攻め方ができず自分たちのやりたいことができなかった。30分以上苦しめられたが、リバウンドの差で勝つことができたので良かった」と試合を振り返った。

苦しいチーム状況の中でゲームハイの25得点を記録し、接戦に持ち込んだ齋藤はオフェンスリバウンドを敗因に挙げた。「セカンドチャンスから失点を重ねてしまい、主導権を握れませんでした。高さを言い訳にはしたくありませんが、リバウンドもなかなか取れず、終始難しい試合でした」

名古屋Dのゾーンディフェンスは機能していたが、ゾーンの弱点でもあるリバウンドを確保できず、広島に26本のオフェンスリバウンドを奪われ、セカンドチャンスポイントで32点を許すなど諸刃の剣に。同率対決を制した広島は15勝4敗とし、西地区単独2位に浮上した。