ガードとして「ニック選手にボールを集める」
バスケットボール男子日本代表はワールドカップのアジア予選Window5に向け強化合宿を行っている。最終日の今日、練習の一部がメディアに公開され、選手たちが取材に対応した。
昨年のWindow1と2では4戦全敗と最悪のスタートを切ったが、今年2月のWindow3でニック・ファジーカスと八村塁が加わった日本はオーストラリアから金星を挙げ、Window4では八村と渡邊雄太の揃い踏みが実現してカザフスタンとイランを破り4連勝。だが今回のWindow5はスケジュール的にアメリカでプレーする八村と渡邊の招集ができない。そのためチームの戦い方も変わるし、何より今回招集されている選手たちにとっては真価を問われることとなる。
帰化申請が通って日本代表に加わり、ここまでチームトップの平均28.5得点を記録しているファジーカスが軸となるのは当然だ。ポイントカードの富樫勇樹も「ニック選手にボールを集めることを意識しなければいけない」と言う。
だが、それだけで勝てるほど世界は甘くない。他の選手のステップアップも必要となってくる。富樫も「八村選手と渡邊選手が来ることは難しいので、その分も他の選手がオフェンス面もディフェンス面もいつも以上にやらなきゃいけないという気持ちは持っています」とチーム一丸で戦う気概を語った。
また2人の不在により高さの面で苦戦することが予想される。「どの試合でもそうですけど、リバウンドが取れれば自分たちのリズムでバスケができると思うので、そこが一番」と富樫も日本の永遠の課題であるリバウンドが重要と話した。
ラマスからの注文「もう少しアグレッシブに」
ファジーカスを中心にオフェンスを組み立てることになる富樫は「ガードとしてオープンな選手を見つけられれば」と、周囲を生かすことを念頭に置いている。そして「出ている5人の選手全員が点数を取れるので」と富樫は日本の持つオフェンス力に自信をのぞかせた。
ポジションレス化が進んではいるとはいえ、ポイントガードがパサーを担う構図はこれからも続くだろう。富樫も司令塔という役割を忠実にこなす意志を語ったが、同時にフリオ・ラマスからはこれまで以上に得点を狙う姿勢も求められている。
「八村選手と渡邊選手の2人で40本近くシュートを打っていました。ニック選手がいても、2人がいなくなって誰かがシュートを打たなければいけない。だからもう少しアグレッシブにやってほしいという話は個人的にされました。パスを意識しぎていたという話があり、もう少しシュートを狙っていけと」
「空いたら打つのはもちろんですけど、本数よりリングにアタックする姿勢を見せたい」と富樫は意気込む。千葉ジェッツではコンスタントに2桁得点を記録し、日本人では得点ランキング4位となる平均12.8得点を記録している。だが代表ではここまで6試合に出場し、平均7.5得点とその高い得点力を発揮できずにいる印象が強い。
得点源となるファジーカスを中心にオフェンスを組み立てるのはもちろんだが、他の選手の持ち味を引き出すことも必要だし、自らの得点も求められている。八村と渡邊がいないWindow5、特にオフェンス面で富樫のパフォーマンスがカギとなる。