ジョナサン・アイザック

Gリーグチームで調整中「いろんな面で大丈夫だと感じられた」

マジックは26歳以上の選手がロスターに2人しかいない極端に若いメンバー構成で、ルーキーのパオロ・バンケロがNBAドラフト全体1位に相応しいパフォーマンスを見せ、ナゲッツでは不遇を囲ったボル・ボルがブレイクを果たすなど、若手の成長に見るべきものはあるものの5勝20敗とリーグ最下位に沈んでいる。

しかし、再建中のマジックにとっては目先の結果よりも若手の成長が優先であり、数年先に強力なチームを作り上げるためにどんな手が打てるかを日々模索している。そんな中、復活に期待を掛けるのがジョナサン・アイザックだ。

2017年のNBAドラフトの1巡目7位でマジックに加入した彼は、2年目の2018-19シーズンに主力に定着し、ディフェンスのスペシャリストとして評価されるようになった。スモールフォワードの彼は相手エースとのマッチアップが多く、サイズと腕の長さ、瞬発力に判断力の良さを生かし、リムアタックにも下がっての3ポイントシュートにもフットワーク良く食らい付いて、ブロックショット連発で相手のエースのリズムを狂わせた。

3年目には28.8分のプレータイムで11.9得点、6.8リバウンド、そして持ち味のブロックでは2.3を記録。エースキラーとして評価を確立しつつあったところで、左膝前十字靭帯断裂の大ケガを負った。それからの2シーズンを全休。本来のパフォーマンスを見せたのはわずかな期間のままマジックでは古株の25歳となったが、ようやく復帰が見えてきた。

今のアイザックは5対5の練習ができる段階にまで回復した。マジックは彼をGリーグのレイクランド・マジックに送り、復帰に向けて調整させている。

レイクランド・マジックに合流したアイザックは明るい表情で「Gリーグの選手たちと5対5ができた今日は僕にとって特別な日になった」と語る。「これまでコーチとかリハビリを担当してくれている人と一緒にプレーはしていたけど、本格的な試合となると今日が初めてだ。少し休憩を挟みながらの12分間、相手選手とぶつかり合うことができて、これ以上ないぐらい最高の気分だよ。最後はちょっと疲れたけど、いろんな面で大丈夫だと感じられた」

並みの選手であれば、ほんの短い期間に活躍しただけで2シーズンも全休が続けばチームから見捨てられるところだが、アイザックは活躍した期間は短くても、とびきりのパフォーマンスを見せていた。彼のクイックネスやジャンプ力が元通りになる保証はないが、それでも信じて待ってみようと思わせるだけの魅力があった。

「NBAで活躍していたのは遠い昔のことのように思える。ゲームスピードの面ではまだかなり取り戻さなきゃいけないけど、良いプレーができたと思うよ。SNSはまだ確認していないけど、このニュースを知ったらみんな『おめでとう』のメッセージを送ってくれるだろうね。マジックは苦戦しているけど、みんなベストを尽くしている。若いチームだからもっともっと良くなっていかなければいけないし、そこに自分が復帰して、ディフェンスの要としてチームの成長に手を貸すのが楽しみで仕方ないんだ」

まだ復帰へのスケジュールが立ったわけではないが、『その日』は近付いている。「いつ復帰できるかはクラブ側の判断を待ちたい。でも僕としてはできるだけ早く、自分にとってベストな形でコートに戻りたい。そのために意識を高く持って、これからも頑張るよ。すべてが整った時が、復帰の時だ」