「誰が引っ張っていくのか、という責任が個々で出てくるとさらに良くなる」
レバンガ北海道はアウェーで行われたサンロッカーズ渋谷とのBリーグ第7節を1勝1敗で終えた。99-92で第1戦を勝利して迎えた第2戦は、最後まで粘り強くSR渋谷に食らいついたが85-90で敗れた。
第2戦は敗れたものの、北海道も意地を見せた戦いになった。ドワイト・ラモス(右足関節捻挫)とアレックス・マーフィー(コンディション調整)を欠いていた中で、日本人選手が積極的なプレーでチームを引っ張った。第2クォーター中盤には2ポゼッションを追いかける展開になったが、橋本竜馬のジャンプシュート、中野司のペイントアタックからのフローター、そして高橋耕陽もスティールからの速攻でフリースローを獲得するなど、同点で前半を終えた。
北海道は外国籍選手の得点が多い印象のチームだが、第2戦の前半終了時点では橋本と中野がチーム最多の8得点を挙げ、高橋とブロック・モータムが7得点で続いた。最終的にはショーン・ロングが23得点、モータムが17得点を挙げたが、橋本が15得点7アシスト、中野が10得点、高橋が7得点3リバウンド3アシスト2スティールを記録。また、昨シーズン中盤に特別指定選手として加入した2年目の松下裕汰も15分46秒の出場で7得点2リバウンド4アシスト1スティール1ブロックを記録した。
結果的に敗れはしたが、何度も突き放されそうになりながらも粘り強く戦った第2戦を終えて、橋本はこのように振り返った。「渋谷さんのプレッシャーに対して自分たちも準備はしていましたが、ミスから入ってしまいました。でも、第1クォーターを16-16としたように我慢できたのは、チームとしての進歩かなと思います。ただ、勝負の第4クォーターで相手にオフェンスリバウンドをやられてしまい、コントロールされて今日の試合を落としたのは残念でした。それでも、ここまで粘れたのはチームとしてステップアップしているところだと思うので、次はこの点差でも勝ち切るようにしていきたいです」
ケガ人がいる状況は好ましくないはずだが、佐古賢一ヘッドコーチは「チーム全体として、今は上向きになりつつある感じが、少しずつ見えてきています」と、前向きにとらえている。そして、キャプテンの橋本も「ケガ人は出ていますが、一人ひとりの責任感というか、『自分がチームに求められていることをしっかりやらなきゃ』という準備が個々でできているところがすごく良かったです」と語った。
また、橋本は日本人選手の積極的なプレーや得点が増えてきていることについて「どうしても外国籍プレーヤーに頼る部分が多くなりますけど、頼りすぎてしまうと彼らもキツくなってしまいます。なので、日替わりでヒーローが出るような形を常に目指しています」と言う。そして、ポジティブな事象が増えてきた現在のチームをこのように見ている。
「その中で誰が中心になって、誰が引っ張っていくのかという責任が個々で出てくるとさらに良くなると思います。シュートを打ち切ったり、自分でシュートチャンスを作ったりとかの意識の部分だったり、そういうコミュニケーションがもっともっと増えていけばさらに良くなると思います。そうすれば、どのチームにも戦える、そして勝てるチームになることができる。もちろん、今もチームとして良くなっている部分はありますが、まだまだ足りないと思っています」
今シーズンは開幕こそ4連敗を喫したが、指揮官とキャプテンが感じているようにチームは良い方向へと進みつつある。東地区首位の千葉ジェッツをホームに迎える今週の水曜ナイトゲームは、この良い感覚を確かなモノにするためにも重要な一戦となる。
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