文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

アグレッシブなディフェンスが試合の流れを変えた

15勝3敗で東地区首位に立つアルバルク東京と12勝8敗で中地区2位の三遠ネオフェニックス。強豪同士がぶつかった第2戦は、A東京が激しいディフェンスから主導権を握り、中盤に突き放して三遠を退けた。

勝ったA東京だが、立ち上がりは後手に回った。三遠の鈴木達也とのミスマッチを突くことに固執し、自らリズムを崩してしまう。その間、アップテンポにボールを運ばれ、ジョシュ・チルドレスを中心とした多彩な攻めで失点を重ねる。6-16とリードされたところでA東京はたまらずタイムアウトを要求した。

それでもここで投入された伊藤大司が落ち着きをもたらすと、バランスの良いオフェンスを展開。19-23まで追い上げて第1クォーターを終えた。

続く第2クォーターからは完全にA東京のペース。ボールマンへのプレッシャーを強めてパスワークを分断し、パスの受け手へのチェック、球際の強さでターンオーバーを連発させる。試合後、伊藤拓摩ヘッドコーチが「第2クォーターから激しいディフェンスができた」と語ったように、アグレッシブなディフェンスが試合の流れを変え、逆転をもたらした。

オフェンスではターンオーバーからの得点で相手にダメージを与え、ゾーンディフェンスも素早いパス回しからの3ポイントシュートで攻略した。

伊藤ヘッドコーチ「やりたいバスケットができた」

後半に入っても勢いは止まらない。引き続き激しいディフェンスで三遠のパス回しを妨害してターンオーバーを誘発。この守備を引っ張ったのは田中大貴だ。この試合で5スティールを記録するなど、1対1のディフェンス力で三遠を圧倒した。

A東京は第2クォーターで26-12、第3クォーターで28-14と圧倒。スティールからの速攻で高確率で得点を重ね、ディアンテ・ギャレットの変速ドライブも観客を沸かせた。第3クォーターを73-49とし、勝利をほぼ決定づけた。

大差を付けられた三遠も、ホームの観客の前で最後まで全力プレーを続ける。チルドレス、並里祐の2人で17得点の荒稼ぎを見せ、このクォーターを29-21と上回り、意地を見せた。

最終的に94-78で勝利したA東京はギャレットがチームハイの20得点、ザック・バランスキーが3本の3ポイントシュートを含む17得点を記録した。

敗れた三遠はチルドレスが両チームトップの22得点12リバウンドのダブル・ダブルを記録。しかし、チーム全体で19のターンオーバーを犯してしまっては勝利するのは難しい。また、追いかける立場でありながらテクニカルファウルを連発し、オルー・アシャオルと藤田弘輝ヘッドコーチが退場になるなど勝利への執念が違う方向へ出てしまったのは残念だった。

アルバルク東京は攻守が噛み合い、初の5連勝をマーク。次節は西地区の京都ハンナリーズと対戦する。三遠ネオフェニックスは初となる同一カードの2連敗。交流戦はこの後、9連勝と波に乗る千葉ジェッツ、西地区首位のシーホース三河と難敵との対戦が続いており、まさに『正念場』だ。