ジャベール・マギー

写真=Getty Images

『珍プレー』常連というイメージを払拭

今シーズンからレイカーズでプレーするベテランのジャベール・マギーは、ここ数年で考え方を変えた。それが功を奏し、ようやくそのポテンシャルを開花させることができた。

2008年のドラフト全体18位でウィザーズから指名されたほどの才能の持ち主だったにもかかわらず、キャリア序盤は芽が出なかった。ウィザーズ、ナゲッツ、セブンティシクサーズ、マーベリックスを渡り歩いた彼にとって、2016年のオフが一つのターニングポイントになった。マギーは、リーチに優れ、機動力があるセンターを求めていたウォリアーズへ移籍し、セカンドユニットの一人として、それから2連覇に貢献した。

ウォリアーズ指揮官スティーブ・カーは、マギーの獲得を「理想的な結婚」と形容した。そのマギーも、ウォリアーズに移籍してからトレーニングに対する姿勢を改め、ウェイトトレーニングを日々の練習に取り入れるようになった。ドレイモンド・グリーンからタイミングとポジショニングを学び、長所であるサイズの生かし方をようやくモノにした。

それまでは、マギーといえば『珍プレー』という印象が強かった。バスケットボール殿堂入り選手であるシャキール・オニールが、『TNT』の番組内でマギーの軽率なターンオーバー等を必要以上に取り上げ、槍玉に挙げられたことも1度や2度ではない。ソーシャルメディア上でも、ミスしたプレーを嘲笑され続けたマギーは、一時期、プレーすることを怖がるようになっていたと、『The OC Register』に語った。

「前後のプレーを見ずに、ミスした部分の映像だけに多くの人がアクセスできるようになっていたからね。レイアップを外すことなんて、取るに足らない。でも、ある時期には『完璧にプレーしないといけない』と思い込んでいた。考え過ぎていたんだね。そういう思考は、自分のプレーに影響する」

ウォリアーズで再びプレーする喜び、評価される喜びを取り戻し、周囲の批判を気にしなくなったマギーは言う。「周りの意見は気にならなくなったんだ。気にするのは、自分のことと、家族のことだけ。自分がやりたいことをやるようにしている」

2連覇達成後の今オフにフリーエージェントになったマギーは、レイカーズに移籍。今シーズン開幕から先発センターに固定され、得点(14.1)、アシスト(1.0)、ブロック(2.9)、スティール(0.9)でキャリアハイの数字を残している。

それでもマギーは「きっと周りは、『例年より良いシーズンを送っているんだな』くらいにしか思っていないだろうね。でも、俺はもっと上のプレーを求めているんだ」と向上への意欲が止まらない。

開幕から接戦に勝てない日々が続いたレイカーズも、4連勝で西カンファレンス7位にまで順位を上げた。マギーは、これからも自分に足りていない部分を見つめ直し、レイカーズが目標に掲げる『名門復活』というミッションに力を尽くしていく。