コリン・セクストン

テイレン・ホートン・タッカーも次第にチームにフィット

クリッパーズvsジャズの一戦は、終盤に勝負強さを見せ付けたジャズが110-102で勝利した。ジャズはこれで8勝3敗で西カンファレンス2位と、開幕からの好調を維持している。

第4クォーター残り5分の時点で96-94とクリッパーズがリード。今シーズンのクリッパーズは5点差以内でラスト5分を迎えた試合は4勝1敗と終盤の接戦に強いのだが、この試合は真逆の展開となった。マリーク・ビーズリーとコリン・セクストンのフリースローでジャズが逆転すると、ケリー・オリニクのポストアップからガラ空きとなった左コーナーのビーズリーにパスが通っての3ポイントシュート成功、セクストンがシュートの際に腕をはたかれながらも決めるバスケット・カウントと、ビッグプレー連発で勝ち筋を作り出した。

残り1分を切ってインサイドに仕掛けるオリニクが、ディフェンス2人を引き付けてセクストンのダンクをアシスト。これで108-102として試合を決めた。ラスト5分のスコアは16-6とジャズが圧倒。ジョーダン・クラークソンが23得点、ベンチから出場のセクストンが22得点、ラウリ・マルカネンが18得点、マイク・コンリーが17得点と、バランス良く点を取った。一方のクリッパーズはポール・ジョージが34得点を記録するも、両チームで最長の38分プレーした彼はラスト5分で5本放ったシュートすべてを外している。

ジャズはドノバン・ミッチェルとルディ・ゴベアを放出して今シーズンはタンク一直線かと思いきや、快調に勝ち星を重ねている。そんなチームに当惑しているのは、他ならぬジャズのファンだ。地元紙『Salt Lake Tribune』は、様々なファンのコメントを紹介しているが、「長いシーズンの最初だけ」と慎重な声もあれば、「結果はどうあれ、今のチームは応援しがいがある」という声もある。ダニー・エインジCEOによるチーム解体の判断についてファンの意見は分かれるが、予想外の快進撃に当惑しながらも、次第に気に入りつつあるようだ。

ファンと同じように当惑から抜け出しつつあるのはテイレン・ホートン・タッカーだ。レイカーズは貴重なオールラウンダーの彼をずっと手元に残していたが、オフの終盤になってパトリック・ベバリーとのトレードを決めた。彼自身、レイカーズでの挑戦はもっと長く続くと信じていたため、裏切られたとは思わなくても当惑はあった。11月4日に古巣レイカーズと初対戦したことで、彼はようやく自分がジャズの選手だという実感を得るに至ったようだ。

華やかなロサンゼルスを本拠とするレイカーズと、スモールフランチャイズのジャズでは環境で大きな差がある。バスケの面でも「レイカーズはベテランが多いから、フィルムセッションは長くて練習時間は短い。ジャズはその真逆」だそうだ。レイカーズで良いことも悪いことも経験したことで、ジャズではベテランのように扱われることもあるが、「チームで一番若いのは僕なんだけどね」と彼は苦笑する。

「新しいチームで自分がどうプレーすればフィットするのか、正直まだ正確には分かっていない。でも今はとにかく、自分が誰と組んでも機能して、オールラウンドにプレーできることをコーチや仲間に示そうとしている」と彼は言う。

ベンチからの出場で、プレータイムは試合によって長かったり短かったり。チームの絶好調ぶりにホートン・タッカーは乗れていないが、いずれ良いバランスを見いだすだろう。ベンチから攻守に貢献できる彼がフィットすれば、ジャズの勢いはまたしばらく持続しそうだ。その間にジャズのファンは失意から立ち直り、今のチームをどんどん好きになっていく。