2年目のシューターがブレイク、ガリナーリ負傷の穴を埋める
セルティックスとニックスの今シーズン初顔合わせの対戦は、ニックスがフィールドゴール成功率51.1%、セルティックスが53.4%と互いにシュートを決めまくる打ち合いとなった。それでもセルティックスが試合のほとんどの時間帯でリードを保ち、終盤は一度も追い付かれることなく133-118で勝利したのは、3ポイントシュートで大きな差を付けたからだ。セルティックスは51本を放って、球団新記録となる27本を決めた(成功率52.9%)一方で、ニックスの3ポイントシュートは27本中11本成功(40.7%)に留まり、打ち合いの展開が続けば続くほど点差は広がっていった。
セルティックスの好調は単にシュートタッチが良かったからではなく、スペーシングが良く、相手のディフェンスの出方を読んでボールをよく動かすチームプレーが機能した結果で、偶然ではなく必然が生み出したものだ。
2点シュートも37本中20本成功(54.0%)と好調で、フィールドゴール47本成功のうち30にアシストが付いたのは、その表れ。出場した9選手すべてが得点しただけでなく、全員が3ポイントシュート成功を記録し、8選手にアシストが付いた。ニックスのディフェンスに改善の余地はあるにせよ、多少の修正があったところで止められるものではない。
この試合、ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンの両エースがゲームハイとなる6本の3ポイントシュートを決めたが、それに次ぐ5本を決めたのは2年目のサム・ハウザーだ。NBAデビューを果たした昨シーズンは26試合に出場したものの、主戦場はGリーグだった。それでも3ポイントシュートの能力を認められて今夏には3年契約を勝ち取っていた。さらに新戦力のダニーロ・ガリナーリがチーム始動より先に代表でケガをして長期離脱となると、メディアがカーメロ・アンソニーとの契約を推す中で、セルティックスはハウザーをローテーションプレーヤーに据えることを決めた。
そのハウザーは開幕からここまでの9試合すべてにベンチから出場し、限られたプレータイムの中で3ポイントシュートを決め続けている。
「自信を持ってプレーできた。周囲が僕をサポートしてくれるのも理解しているし、すごく快適にプレーできてもいる」とハウザーは言う。「だから僕は仲間に助けてもらいながら、自分の役割を果たし続けるつもりだ」
昨シーズンにNBAファイナルまで進んだスタイルは継続され、ハウザーの発掘のような積み上げもある。まだシーズンは始まったばかりだが、好スタートを切ったセルティックスには、まだまだ伸びしろがありそうだ。