本橋はベンチから出場して15得点6アシストを記録
11月6日、東京羽田ヴィッキーズはトヨタ紡織サンシャインラビッツを59-58で下し、今シーズン初勝利を挙げた。
ここまで、東京羽田は富士通レッドウェーブとシャンソン化粧品シャンソンVマジックにそれぞれ連敗を喫し、今節のトヨタ紡織との第1戦も56-80で敗れ、Wリーグで唯一白星がない開幕5連敗と苦戦していた。
今日の第2戦でも、第1クォーターはトヨタ紡織の強度の高い守備に圧倒され、このクォーターだけで8本ものターンオーバーを喫し、5-16と出遅れた。立ち上がりはディフェンスでも相手の速いパス回しやペイントアタックに揺さぶられ簡単にズレを作らせてしまっていたが、第2クォーターになると守備の強度を上げてイージーシュートを許さずに相手の得点を阻止した。その中でもベンチから出場した本橋菜子は攻守に持ち味を発揮してチームを牽引する。ペイントアタックでディフェンスを収縮させて仲間のシュートチャンスを作り出し、ディフェンスでも足を動かしてプレッシャーを与えていく。本橋だけでなく、東京羽田はチーム全員がギアを上げたことで、第2クォーターを24-10と圧倒し、29-26と逆転して前半を終えた。
後半も東京羽田が1、2ポゼッションをリードする時間帯が多かったが、最終クォーターになるとトヨタ紡織も意地を見せ、リードチェンジを繰り返す展開に。それでも終盤になると連続で相手にフリースローを許したこともあり、残り19秒で56-58と東京羽田がビハインドを背負った。そして迎えたラストポゼッション、本橋のキックアウトから水野菜穂が放った3ポイントシュートはリングに嫌われたが、リバウンド争いからこぼれたボールを拾った鷹のはし公歌が残り3秒で放った3ポイントシュートを見事に沈めて、最終スコア59-58での勝利を収めた。
「こうやって我慢してやっていけば必ず勝機はある」
この試合で東京羽田は水野が35分27秒の出場で16得点6リバンド2アシストをマーク。そして、本橋はプレータイムに制限があり18分27秒の出場ながらも15得点6アシストで勝利に貢献した。特に第3クォーターの終盤では3ポイントシュートにペイントアタックからのフローター、そしてスピードのミスマッチを突いたドライブでファウルを奪うなど『ナコタイム』を披露し、チームを引っ張った。
接戦を制して今シーズン初勝利を挙げた試合後、本橋は安堵の表情を見せながら、試合を振り返った。「昨シーズンから自分たちは負けが続いたり、どんなに上手く行かなくても絶対にヘッドダウンしないで、みんなでやってきましたけど、やっぱり勝ちがないと苦しくて。その中で今日はホームで初勝利を収められたので、これが良いきっかけになって次に繋がっていけばと思います」
そして、本橋は5-16と出遅れた第1クォーターについて「一人ひとりのエネルギーが足りなかったです。あとは、第1クォーターでターンオーバーを8本ぐらいしてしまって、そこからの失点も多かったです。簡単なターンオーバーとディフェンスもオフェンスもエネルギーが足りなかった」と反省した。
それでも、東京羽田は第2クォーターでビッグクォーターを作って逆転を果たした。本橋がボールをプッシュし、チームに勢いを与えていたのが大きかったが、本人はチームメート一人ひとりの活躍を称えた。「交代で出て行った選手が連続で3ポイントシュートを決めたりしていました。誰かが悪くても、交代で出た選手が自分の仕事をこなしているのを感じました」
もちろん、負けた試合から得るものも多いが、自信は勝った試合から得ることの方が多い。本橋は言う。「今日は第1クォーターでシュートが入らなかったけど、こうやって我慢してやっていけば必ず勝機はあるんだなというのが、みんなの自信になってくれたらと思います」
Wリーグはここから約1カ月の中断期間に入る。バイウィーク前、ラストの試合で挙げたこの一勝は、東京羽田にとって大きな意味を持つ一勝だ。この勢いをバイウィーク明けに繋げるためにも、本橋は「積み上がっているのもを落とさないようにしたい」と気を引き締めた。「今はリバウンドをみんなで意識して積み上げて、だんだん良くなってきています。そこをもう一回、この1カ月で積み上がってきているものを落とさないように意識を高めていきたいです。チームとしてはターンオーバーも多いので、どこが課題なのかを見返して、ちょっとずつ修正して自分たちのオフェンスの形を作っていきたいです」