コー・フリッピン

待望のFIBA公式戦デビューが濃厚に「日本を代表して戦う機会は光栄なこと」

現在、男子日本代表はワールドカップ2023アジア予選Window5に向けた強化合宿を行っている。海外組の不在に加え、これまでの起用法を振り返ると国内組では序列が上と思われる西田優大、比江島慎が揃ってコンディション不良で離脱とメンバー編成に苦しんでいる。ただ、見方を変えればこれまで出番の少なかった選手にとっては、今夏の代表活動を経てメンバーが固定化されつつある指揮官トム・ホーバスのチーム作りにおいて、自分の存在をアピールできる貴重なチャンスだ。

琉球ゴールデンキングスのコー・フリッピンは、ホーバス体制となってからここまで何度も合宿には呼ばれているが、Window2はエントリー要件を満たすための審議中でメンバー登録できず、そして今夏のWindow3と4は、それぞれ故障によって出場できずに終わっている。特にWindow4は、直前に行われたイランとの強化試合に出場していながらの負傷離脱と悔いの残る結果となった。

このような背景もあり、日本代表での公式戦デビューに向けフリッピンは、次のように意気込みを語る。「(Window5のバーレーン、カザフスタンとの)2試合をずっと楽しみにしてきました。しっかり戦って2勝したいと思っています。今は身体もすごく調子が良いですし、このチームでやれることがすごくうれしいです。日本を代表して戦う機会は光栄なことなので一生懸命頑張りたいと思っています」

フリッピンの代表における現在地は富樫勇樹、河村勇輝に次ぐ3番手ポイントガードの座をテーブス海と争っているところだ。ホーバスヘッドコーチの重視する3ポイントシュートにおいて富樫のような精度はなく、河村のようにゲームメークに長けている訳ではない。

ただ、188cmのサイズと卓越した跳躍力に代表されるフィジカルを生かした1対1での守備の強さ、リバウンド力は富樫や河村にはないフリッピンの武器だ。「自分としてはディフェンスとエナジーの部分でチームに貢献できると思っているので、そこはしっかりアピールしたいです」と、本人も自分が代表で生き残っていくために何をするべきか分かっている。

また、比江島、西田の不在によってウイングのハンドラーが不足している今回の代表において、抜群の瞬発力に加え、コンタクトを受けても突破できる力強いドライブを繰り出せるフリッピンはドライブからのチャンスメークでも存在感を示したいところだ。

ワールドカップ日本会場の舞台である沖縄を拠点とする琉球から今回唯一のメンバー入りを果たしているフリッピンなだけに、地元から大きな期待を寄せられている。本人もそれは十分に理解しているが、まずは今回のWindow5で結果を残すことにフォーカスしている。「ワールドカップに向けての準備の一つである今回のWindowで自分のやるべきことは、自分ができることを最大限チームに還元することだと思っています。チームが求めているのは結果であり、自分がどのように貢献できるかに今は集中しています」

ムラっけがあるところは否めないが、うまくハマった時の爆発力は随一のものを持っているフリッピンが、公式戦デビューでどんな活躍を見せてくるのか。攻守に渡る豪快なプレーでゲームチェンジャーとなり、熾烈な代表争いに割って入ることができるか注目だ。