スティーブ・ナッシュ

カー「彼は素晴らしいコーチになるためのすべての資質を備えている」

本日、ネッツが指揮官スティーブ・ナッシュの退任を発表したことは、リーグ内外に大きな衝撃を与えた。ナッシュはネッツ加入前にウォリアーズのコンサルタントを務めるなど、ウォリアーズの指揮官スティーブ・カーにとって旧知の仲である。地元メディア『NBCスポーツ・ベイエリア』は、かつての同僚が不本意な形でヘッドコーチの座から降りたことに対するカーの見解を紹介している。

ヒートとのアウェーゲームの試合前、カーは「スティーブ・ナッシュは私の良き友人であり、何よりもスティーブのことを思っている。彼は素晴らしいコーチになるためのすべての資質を備えている」とナッシュの才能を称え、次のように続けた。「今回の件はコーチというものが、選手やフロントオフィス、オーナーの気まぐれによって状況が変わることを私に思い出せてくれる良い契機となった。このリーグでコーチとして成功するには、本当に安定した環境が必要だ。エリック(スポールストラ)はマイアミでそれを手に入れ、私はゴールデンステイトで得ている。私たちはラッキーだ」

カーが言及するようにスポールストラは、今シーズンでヒートの指揮官15年目と長期政権を築いている。また、カーも今シーズンはウォリアーズ9年目で、それぞれプレーオフ出場を逃す時期もあったが、彼らに対する球団首脳陣の信頼が揺らぐことはなく、長きに渡って指揮を執っている。

ナッシュは2020-21シーズンにネッツのヘッドコーチに就任すると、初年度にカンファレンスセミファイナルに進出し、昨シーズンもファーストラウンド敗退とはいえ、プレーオフへチームを導いている。ネッツはケビン・デュラント、カイリー・アービングを有するリーグ屈指のスター軍団の一つだが、一方でコート外の騒動が頻繁に起こり、デュラントとアービングも故障が多いなど、チームをまとめるのは一筋縄ではない。

それだけにカーは「僕たちのどちらかが、(ここ数年の)ネッツのような状況を任されたとしてもスティーブよりも良い仕事はできないだろう。それが真実だ」と、一部ではリーダーシップ不足を批判されていたナッシュを擁護した。「スティーブは本当に素晴らしい友人であり、彼のことを気の毒に思う。ただ、もし彼が再びこの世界に戻りたいのなら、素晴らしい存在になれると思う。でも、彼にはもっと安定した環境が必要だ」

見方を変えれば球団首脳陣から大きな信頼を寄せられ、落ち着いて指揮を執れる状況を勝ち取る能力や、それが可能なチームを見極めることもNBAでヘッドコーチとして成功するためには必要な要素となる。ナッシュの解任は、カーのコメントのようにあらためてNBAにおいてヘッドコーチの座は常に危ういものであることを再認識させられた。