ジミー・バトラー

いまだ3勝5敗とスロースタートも「まだ始まったばかりだ」

ヒートvsウォリアーズは第3クォーターに入ってウォリアーズがリードする時間帯が増え、第4クォーター開始時点で8点のリードを得ていた。ステフィン・カリーを始め主力はリズム良くプレーしており、このまま勝ちきるかに思えたが、ヒートは終盤にこのチームが持つ本来の爆発力を発揮した。

チームに勢いを与えたのはベテランのカイル・ラウリーで、自らドライブで得点を挙げたかと思えばゴール下に飛び込むバム・アデバヨや、外でフリーになるダンカン・ロビンソンの動きを見逃さずパスを送ってアシストを記録。ラウリーは試合を通じて13得点9アシスト、勝負どころの第4クォーターに5得点4アシスト(ターンオーバーなし)と見事なプレーメークで逆襲を演出した。

この試合、先発ガードのタイラー・ヒーローが相手選手に目を突かれるアクシデントでわずか10分しかプレーできなくなったが、それでもマックス・ストゥルースが24得点でその穴を埋めている。ヒーローは試合後にサングラス姿で取材に応じ、「見えづらかったので大事を取った。ロッカールームで試合をチェックしていたけど、第4クォーターはプレーしたくてたまらなかったよ」と語っており、軽傷で済んだようだ。

同点で迎えた残り2分、試合を決めたのはジミー・バトラーだ。アンドリュー・ウィギンズとの1on1をスピンムーブで制してのバスケット・カウントで勝ち越す。直後のディフェンスではカリーの3ポイントシュートに思い切り良くコンテストに飛び込み、笛が鳴ったもののコーチズチャレンジでノーファウルへと判定が覆った。

3点をリードするヒートはタフなディフェンスでウォリアーズに得点を許さない。残り30秒を切ってのオフェンスを託されたのはバトラーで、クレイ・トンプソンをフェイクでかわしてのミドルジャンパーを決めて、熱戦に終止符を打った。

試合後のバトラーは至って冷静で、コーチズチャレンジで覆った判定について「僕はボールにしか触れていないから、映像を見ればそうなるのは分かっていた」と語り、クラッチタイムに決めた2本のシュートは「毎日練習している動きだ」と淡々と語った。

それでも、一つひとつのポゼッションで100%の集中を保ち、ボールに食らい付いて勝利をもぎ取るヒートらしい戦い方ができたことは誇りに思っている。

「勝利はいつだって良いものだけど、オフェンスでもディフェンスでもチームが気持ちを一つにして激しく戦えたことが良かったと思う。試合は勝ったり負けたりするものだけど、長いシーズンで僕らはそれを突き詰めていきたい。まだ始まったばかりだ」

ヒートはこれで3勝5敗。開幕からややもたついたが、ウォリアーズ相手に攻守に激しいプレーを貫いて劣勢を覆し、逆転で勝てたことは自信に繋がるはずだ。ウォリアーズも3勝5敗と波に乗れない。こちらは敵地でのゲームは4戦全敗。移動日を挟んでのマジック、ペリカンズとの連戦でアウェー初勝利を挙げたいところだ。