デイミアン・リラード

リラード「プレーオフだったらプレーをし続けていた」

10月26日のトレイルブレイザーズvsヒートは、バム・アデバヨの18得点を筆頭に6人が2桁得点を記録し、アシストで34-20、ファストブレイクからの得点で29-14と大きく上回ったヒートが後半に抜け出し、ブレイザーズの開幕からの連勝を4で止めた。

この試合、ブレイザーズのデイミアン・リラードは第3クォーター途中にプレーを切り上げた。3ポイントシュートを決めた後にやや気になるそぶりを見せ、続くポゼッションでターンオーバーをしたのが最後のプレーとなった。交代した彼はベンチに戻らず、ロッカールームに直行した。

ブレイザーズのエースは試合開始前から右足ふくらはぎに張りを感じていた。それまで26分の出場で4本の3ポイントシュートを含む22得点を挙げていたが、ずっと違和感を抱えながらのプレーを強いられていたという。

今シーズンのブレイザーズは、これまでのようにリラードに依存するのではなく、勝負どころで彼が相手の注意を引き付け、他の選手がビッグプレーを決めることで勝ち続けてきたが、やはり彼がコートにいるのといないのとでは大違い。リラードが退く時点で70-79とビハインドを背負っていたが、押し返す力を欠いた。攻守のバランスの良さを見せたヒートが余力を残して勝利している。

ケガは重傷ではなく、試合後にリラードは「プレーオフだったらプレーをし続けていた」とコメントしている。「今朝の時点から違和感はあったんだけど、プレーできると判断して出場したんだ。シュートを打った時に痛みを感じて、ディフェンスに戻りながら感覚を確かめていた。走ってストップした時に何かが起きていたのが分かったから、コートを出たんだ。まだシーズンは長いから無理はできない。ただの張りであって、MRI検査をしたりはしないよ」

もともとリラードは次のロケッツ戦を欠場し、11月2日のグリズリーズ戦まで休養を取る予定だったそうだ。ところが今回ふくらはぎの筋肉を傷めてしまい、1週間から2週間後に再検査となる。

ヒートのジミー・バトラーは「今日は試合前からみんな気持ちが入っていた。これがウチの勝ち方だから気分が良いね」と、ハードに戦う全員バスケができたことに手応えを得た様子。一方でブレイザーズのアンファニー・サイモンズは「ウチのターンオーバーが原因だ。そこから相手はブレイクを繰り出し、トランジションスリーもよく決まったからね。もうちょっと丁寧にバスケをやらないと、また痛い目に遭うと思わなきゃいけない」と敗因を語った。

開幕8連勝を記録した1992-93シーズン以来となるブレイザーズの開幕からの連勝はここで途切れた。もともとブレイザーズにとっては望外のスタートダッシュであり、連勝はいつかは途切れるもの。この1敗よりもリラードをしばらく失うほうがダメージは大きい。ただ、『リラード依存』からの脱却が連勝の最大の要因であることを考えれば、チームが今後も強くなっていくにはリラード抜きでも勝てる方法を見いださなければならない。