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シュートタッチが上がらず苦戦を強いられるキャブズ

12勝2敗で東カンファレンス首位のキャバリアーズと4勝12敗で最下位に沈むシクサーズが対戦した。

実力上位のキャブズだが、序盤はシクサーズの素早いトランジションに追い付けず、2-10のランを浴びてビハインドを背負う。オフェンスセレクションは決して悪くないもののフィニッシュに苦労し、レブロン・ジェームズが最初のフィールドゴールを成功させるまでに15本のシュートを要した。

第2クォーターに入ってもシクサーズの足は止まらず、キャブズはディフェンスで後手を踏む。流麗なパス回しからダリオ・サリッチ、ロバート・コビントンの連続3ポイントシュートが決まり、33-47と最大14点のビハインドを背負う。

思わぬ苦戦を強いられるキャブズ。後半に入ってもシクサーズの積極的な寄せに苦しみ、24秒バイオレーションを取られるなど本領発揮に至らない。ただ、シクサーズも点差を2桁に乗せれるかどうかのタイミングでレイアップのミスやパスミスなど軽率なターンオーバーを犯す。勝ち星が増えない要因である『ムラ』がここで出てしまい、王者を突き放すことができなかった。

第3クォーター終盤になって、ようやくキャブズがリズムに乗る。単純な1on1オフェンスの多用からレブロンのポストアップで作ったミスマッチを突くようになる。ケビン・ラブへのアシスト、3ポイントプレーとなるバスケット・カウントで締めて77-81で最終クォーターを迎えた。

レブロンのポストプレーからの展開で勝利を手繰り寄せたキャブズ。

勝負どころで輝いた、王者の貫禄と『個』の力

第4クォーター残り9分22秒、我慢の展開が続いたキャブズは、カイリー・アービングのドライビングレイアップで85-84とし、この試合で初めてリードを奪う。王者の嗅覚で勝負どころを察知し、持ち味のアグレッシブなディフェンスが姿を表すと、第4クォーター中盤までに5つのターンオーバーを誘発した。

オフェンスでもレブロンのポストアップでノーマークを作り出し、アービングの3ポイントシュート、トリスタン・トンプソンの合わせで7-0のランを決める。

シクサーズもジョエル・エンビードのポストプレーやエルサン・イリャソワのアウトサイドシュートで追いすがるも、こうなると地力に勝るキャブズは万全の試合運びを展開。残り1分のところでアービングがユーロステップレイアップを沈め、108-99と勝負を決めた。

レブロンが25得点10リバウンド13アシストのトリプル・ダブルを達成。アービングがシーズンハイの39得点を記録し、そのうち19得点を第4クォーターに固めた。キャブズが誇る圧倒的な2人の「個」の力で勝利を手繰り寄せた。

敗れたシクサーズは22得点3ブロックのジョエル・エンビードを筆頭に7選手が2桁得点を挙げ、終盤までリードを保ったが、勝負どころでのターンオーバー連発が響いた。

キャブスはJR・スミスが7本、リチャード・ジェファーソンが5本、マイク・ダンリービーが3本の3ポイントシュートをすべて失敗する苦しい展開となったが、終盤に勝負強さを見せ、『個』の力で王者の底力を見せた。

これまでのシクサーズは逆転されると終盤に大崩れすることが多かったが、ベンチメンバー含め全員が持ち味を発揮し、好ゲームを演出した。終盤の戦い方に課題が残るものの、王者をあと一歩のところまで追い詰めたことはチームとして自信になったのではないか。

プレータイムに制限がかかるエンビード。25分間の出場で22得点3ブロック9リバウンドという数字は驚異的だ。