オフェンスリバウンドを18-9と圧倒して接戦を制す
サンロッカーズ渋谷vs島根スサノオマジックによるBリーグ第4節の第2戦は延長の末にSR渋谷が勝利し、1勝1敗で終えた。
立ち上がりはどちらも主導権をつかみきることなく、27-23とSR渋谷がリードして第1クォーターを終えた。しかし、第2クォーターになると安藤誓哉を中心に持ち前のオフェンス力が爆発した島根が主導権を握る。安藤と津山尚大がしっかりとゲームコントロールしてスムーズなオフェンスを作り出す。特に安藤はニック・ケイとのピック&ロールやスピードを生かしたドライブ、3ポイントシュートとゲームメークに加え得点面でも試合を支配。トランジションだけでなく、ハーフコートでもスピーディーなバスケットを展開することでペースをつかみ、第2クォーターの前半約5分間を15-5とし逆転した島根が49-42とリードして前半を終えた。
一方のSR渋谷は第2クォーターの立ち上がりで失速したが、オフィシャルタイムアウト明けはアウトサイドでボールを回してズレを作ったところにジェームズ・マイケル・マカドゥが合わせに入ってインサイドで攻めることで、一時は2点差にまで追い詰めた。しかし、ここぞの場面で安藤に3ポイントシュートを決められたこともあり、なかなか1ポゼッションを詰め切ることができなかった。それでも、第3クォーターになるとディフェンスの強度を上げてSR渋谷らしいプレーでリズムを取り戻す。前半だけで安藤に16得点を許したが、後半はベンドラメ礼生を中心にオフボールでも厳しくマークすることで自由を与えない。毎ポゼッションで強度の高いディフェンスを見せ、スティールからの速攻やスローインの際にも島根からターンオーバーを誘発して、ポゼッションを奪うことでジワジワと点差を詰めていく。そして第3クォーター終盤に田渡修人の3ポイントシュートとマカドゥのアタックにより63-63と同点に追いつき、SR渋谷が70-69と逆転して最終クォーターを迎えた。その後も拮抗した展開が続き40分間では決着がつかず、89-89で延長戦へ。
ここまではどちらも譲らない展開が続いたが、延長戦になるとSR渋谷が早々にペースをつかんだ。マカドゥと西野曜のインサイドでの合わせ、さらにマカドゥのスティールからの速攻でケビン・ジョーンズがシュートを決めて先手を取る。さらにSR渋谷はマカドゥを中心に攻守ともにチーム全員でリバウンドに絡みにいくことで島根にセカンドチャンスを与えなかった。また、試合を通してタイムシェアをしていたこともあり、延長戦になってもディフェンスの強度は落ちず、24秒バイオレーションを誘発。こうして延長戦を13-6としたSR渋谷が最終スコア102-95で勝利した。
この試合でSR渋谷は18オフェンスリバウンド(島根は9本)を獲得し、セカンドチャンスポイントでも28-11と大差をつけての勝利となった。敗れた島根の指揮官ポール・ヘナレは「多くの出来事があった試合でしたが、SR渋谷が18オフェンスリバウンドを取ったことが大きな影響をもたらした」とリバウンドが勝敗を分けたと悔やんだ。
一方、勝利したSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは、「同一チームには連敗できないとミーティングで伝えて、選手がしっかりファイトしてくれました」と振り返った。この試合ではビュフォードに32得点を取られたが「昨日とプランを変えて、ビュフォード選手のスコア以外のところを消そうと話していました」と語る。「昨日よりも彼には2点多く取られましたが、周りの選手たちの得点を少しずつ削って、自分たちのプランにちょっとでも近づけたのかなと思います。最後はウチのターンオーバーで崩れかけたシーンもありましたが、僕らよりも島根さんの方が足にきていた感じがあったので外のシュートを選択させて、しっかりリバウンドを取り切れたのが最後勝ちに繋がったと思います。選手たちのプライドを感じました」