水野ヘッドコーチ「選手たちの読み勝ちだったと思います」
10月16日、アルバルク東京と群馬クレインサンダーズが対戦した。群馬は第2クォーターからビハインドを背負う苦しい展開となったが、後半から並里成やトレイ・ジョーンズが個人技で打開し、1ポゼッション差まで迫ると、1点差の第4クォーター残り13秒に、アキ・チェンバースが殊勲の3ポイントシュートを沈め、逆転勝利を収めた。
値千金の3ポイントシュートを決めたチェンバースは試合後の会見で、「今シーズンが始まってからシュートの調子が良くなかったけど、ボールが来た時は何も考えず、自分のシュートだけを信じて打ちました」と自身のプレーについて振り返った。
チェンバースは決勝点となった3ポイントシュートの前にも8点差を追う第4クォーター残り1分49秒に、ジョーンズのアシストから3ポイントシュートを沈めている。このプレーについて群馬の水野宏太ヘッドコーチは次のように評価した。「想定していたオフェンスではなかったですが、トレイがディフェンスを見てパスを供給し、アキがシュートを決めてくれました。これは選手たちの読み勝ちだったと思います。アキはこれまでシュートが入らなくても、気持ちを強く持って打ち続けていました。それが最後迷いなく打って決めることに繋がったと思います」
「自分の力を信じてプレーしていきたい」
昨シーズンのチェンバースは平均11.5点の得点力に加えて、リーグ13位となる67本のスティールを記録するなど、好守にわたってチームを支えていた。しかし今シーズンは、開幕からの5試合で2桁得点はなく、ディフェンスでも2試合連続で4ファウルしてしまうなど、乗り切れない試合が続いていた。
今節の第1戦でもチェンバースは3得点に留まり、リズムを作れなかった。しかし今試合では、これまでの不調を払拭するかのようにクラッチタイムの3ポイントシュート2本を含む10得点、2スティール、2アシストを記録し、勝利に貢献した。
またチェンバースは、自分の3ポイントシュートをアシストしたジョーンズと信頼関係が築けていることを話した。「トレイとは去年から一緒ですし、千葉ジェッツにいた時もプレーしていたので信頼関係があります。シュートを決めた場面では、お互いが目を見合ってからパスをくれました。パスをもらった時は、チャンスだと思ってシュートを打つことができました」
今日のように攻守でスタッツを残すチェンバースは、群馬の武器となり相手にとって厄介なプレーヤーとなるだろう。「ディフェンスは昨シーズンから自分の強みとして評価してもらっていますし、今日のように点を取ることもできます。得点し続けるにはリズムが必要なので、もう少しゲームを重ねて、自分の力を信じてプレーしていきたいです」と力強く話した。今日の一戦をターニングポイントにすることができるか今後に注目だ。