群馬クレインサンダーズ

敗れたA東京指揮官「第4クォーターの残り2分は最悪だった」

Bリーグ第3節、アルバルク東京vs群馬クレインサンダーズによる第2戦は、ラスト2分間を13-3と圧倒した群馬が84-82で逆転勝利を収めた。

両チームともにピック&ロールを中心にオフェンスを仕掛ける中で、群馬がハードな守備から先に主導権をつかむ。菅原暉のディープスリーで先制すると、スティールからのトランジションでマイケル・パーカーも3ポイントシュートを決め、立ち上がりを6-0とする。

対するA東京は群馬のハードな守備に手を焼き、開始約2分間でターンオーバー2本を記録して2-8と出遅れ、すぐさまタイムアウトを要求。そして、このタイムアウト明けからA東京がリズムを取り戻す。ここまではピック&ロールが上手く機能せずオフェンスが停滞していたが、ジャスティン・コブスがドライブから3点プレーとなるバスケット・カウントを奪うと、小酒部泰暉も切れ味鋭いドライブで続く。さらにディフェンスの強度を上げて、群馬のピック&ロールを封じることで自由を与えない。こうしてタイムアウト明けの約3分間で9-2としたA東京が11-10と逆転した。それでも、ベンチから出場した並里成のゲームメークに翻弄され、再びA東京が追いかける形となり第1クォーターを21-22で終えた。

第1クォーターはどちらもリズムをつかみきることなく終わったが、第2クォーターになるとA東京が主導権を握る。立ち上がりこそピック&ロールが多かったA東京だが、ライアン・ロシターのディフェンスリバウンドからの速攻、セバスチャン・サイズのポストプレー、笹倉怜寿のミドルシュートなど、いろいろな攻撃パターンを駆使する。その中でも田中大貴は群馬ディフェンスが少しでも緩くなるとすかさずシュートを放ち、このクォーターだけで4本中3本の3ポイントシュートを成功させる。固いディフェンスからのトランジションバスケなど、攻守に圧倒したA東京が第2クォーターを22-9とし、前半を43-31で終えた。

第3クォーターになると群馬も並里とケーレブ・ターズースキーを中心としたオフェンスで立て直し、A東京に食らいつく。特に並里はゲームメークに加えて、自ら得点にも絡み3ポイントシュート1本を含む8得点を記録して点差を縮めたが、安藤周人やコブスにシュートを決められ我慢の時間が続く。その後も互いに譲らない展開が続くも、群馬は一歩ずつ点差を縮めていき、6点差(67-73)で後半のオフィシャルタイムアウトを迎えた。

そして、A東京の指揮官デイニアス・アドマイティスが「第4クォーターの残り2分は最悪だった」と振り返ったように、ここから群馬の猛攻が始まる。群馬が8点(71-79)ビハインドで迎えた残り2分から、並里、アキ・チェンバーズ、ジョーンズ、パーカー、ターズースキーという攻撃型ラインナップがついに爆発。残り2分を切ってアキとジョーンズが続けて3ポイントシュートを沈めて、一気に3点差まで追い詰める。さらにジョーンズのレイアップ、そしてパーカーもスティールからの速攻で続き、残り37秒で81-80と群馬が逆転。その後、コブスにクロスオーバーからのドライブを許して再び逆転されたが群馬が粘りを見せた。

残り16秒でジョーンズが放った3ポイントシュートは嫌われたが、パーカーがオフェンスリバウンドを奪うと、外にいるチェンバースにボールを託す。チェンバースはキャッチ&シュートでボールをリリースし、見事に3ポイントシュートを決め切り、残り13秒で84-82と群馬がリードを奪い返した。群馬は最後の守備でも、ディフェンスリバウンドを制することで相手にセカンドチャンスを与えずにゴールを死守。こうして、最終クォーターを27-18と圧倒した群馬が最終スコア84-82で勝利した。

ほとんどの時間帯でリードしていたA東京だったが、まさかの逆転負けをくらい、指揮官は「勝たなければおかしい試合だった」と振り返った。「第4クォーターの残り2分間では、絶対に3ポイントシュートやバスケット・カウントなど、3点プレーを与えるなと話したけど、相手に3ポイントシュートを許してしまい敗れました。ほとんどの時間で良いディフェンスができていたけど、残り2分でチームがバラけてしまい相手にセカンドチャンスポイントを与えてしまったのが、一番の敗因です」