辻のマークを志願した前田を筆頭に、川崎が守備から流れをつかむ
第1戦では1点差の好ゲームを見せた、川崎ブレイブサンダースと広島ドラゴンフライズの第2戦。川崎はマット・ジャニングに加え、ビッグマンのジョーダン・ヒースが欠場となる厳しい状況だったが、試合開始直後からマンツーマンディフェンスとゾーンディフェンスを駆使して広島の攻撃を抑え込み、オフェンスでは大黒柱のニック・ファジーカスがフリースロー12本成功を含む30得点をたたき出すなど終始リードを保ち、78-70で今シーズン3勝目を挙げた。
「チーム全員が『今日はやるしかない』と気迫を見せてくれた。その中でも前田(悟)が、前日練習に『辻(直人)選手のマークをさせてほしい』と志願してきたので任せました。最初のディフェンスから奮起し、チームの基準となった」と佐藤賢次ヘッドコーチが称賛するように、序盤から前田がマンツーマンで広島のシューターである辻にプレッシャーをかけ、ターンオーバーを誘発させる。続くオフェンスで藤井祐眞がチームの初得点を記録すると、ファジーカスとマイケル・ヤングジュニアが3ポイントシュートとバスケット・カウントで流れを引き寄せ、開始2分半で10-0と走り最高のスタートを切る。そして、第1クォーターをフル出場したファジーカスが13得点を荒稼ぎし、29-17といきなり2桁のリードを奪った。
第2クォーターに入り食らいつきたい広島は、辻がかつての相棒であるファジーカスとのマッチアップからドライブで得点し、ニック・メイヨのドライブからの得点など、リムアタックが効果的に決まり7点ビハインドまで戻して前半を終えた。
後半に入り点差を広げたい川崎は、この試合で広島から15個のターンオーバーを奪った守備がここでも光る。第3クォーター中盤に出場した篠山竜青と納見悠仁のバックコート陣がオールコートのゾーンディフェンスでガード陣にプレッシャーを与え、スティールに成功する。長谷川技の3ポイントシュート、篠山からのアシストでヤングジュニアが得点するなど、ターンオーバーを得点に繋げてリードを14点に広げた。
こうしてセーフティリードを得た川崎は、ドウェイン・エバンスの反撃に遭い第4クォーター残り2分弱に1桁差まで迫られるも、第3クォーターの貯金を守り切り第1戦の借りを返した。
広島の指揮官カイル・ミリングは、「(川崎の)スイッチディフェンスに対してのオフェンスをもう少し考えなければいけないと感じるゲームだった。チームのプレー一つひとつに、一貫性を持たせていきたい」と、課題を口にした。
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