宮崎早織「ガードが迷うと全員が迷ってしまう」
女子ワールドカップ2022、バスケ日本代表はグループリーグ3試合目でカナダ代表と激突する。日本は初戦のマリに89-56で快勝するも、2試合目のセルビア戦に64-69と競り負け、ここまで1勝1敗。一方のカナダはセルビア、フランスを相手にグループBで唯一の連勝スタートと勢いに乗っている。日本にとって、決勝トーナメント上位進出を果たすためにはなんとしても勝たないといけない一戦だ。
セルビア戦、日本は相手のハーフコートでじっくり攻めるコントロールオフェンスに翻弄され、持ち味であるスピードを生かしたトランジションを繰り出せなかった。さらにピック&ロールからの展開に苦戦し、巧みなパス回しによって5人が連動するチームオフェンスができずに終わった。だからこそ、カナダ戦では日本のやりたいオフェンスを遂行するための鍵として3ポイントシュートを決めきることに加え、ポイントガード陣が本来の躍動感あるプレーで、相手ディフェンスをどれだけ切り崩していけるかに注目したい。
安間志織は3人のポイントガード陣の中でも視野の広さとパスセンスに優れ、ゲームメークに長けているが、セルビア戦では9分の出場で2得点、1アシスト、3ターンオーバーと消化不良だった。
「全く自分のパフォーマンスには納得いっていないです。ディフエンスで少しは貢献できていると思いますが、オフェンスではもうちょっとプッシュできますし、もっとリングにアタックをしないといけない。アタックすることは自分のプレースタイルだと思うので、そこはもっとカナダ戦から出せていけたらと思います」
このように過去2試合について振り返った安間は、「まず私たちがアタックして穴を開けないとアドバンテージが生まれてこないです。相手のディフェンスを崩して外でノーマークになった選手にパスを出していきたいと思います」と、攻撃の起点として、自分がクリエイトしていかなければならないと意気込んだ。
過去2試合続けて6アシストを記録している宮崎早織は、ここまで2試合で105失点と堅守のカナダに対し、「カナダはすごくディフェンスがいいので、自分たちもディフェンスから頑張って日本の速いバスケットに持っていけたらいいと思います」と語る。
速いバスケットを展開するためにも、司令塔として次のことを肝に銘じている。「ガードが迷うと、全員が迷ってしまいます。私が『どうしよう、ここにパスしようか』と考えたことで1テンポくらいみんなに合わせられていなかった。自分がやりたいようにやれば、みんなも迷いなく合わせてくれると思います」
安間、宮崎、そして山本麻衣とそれぞれ異なる武器を持つ日本の司令塔トリオが強気のアタックを繰り出し、ディフェンスにプレッシャーを与えて流れを引き寄せてくれることを期待したい。