写真=Getty Images

電話で叩き起こされ、2時間後の試合でNBAデビュー

想像してもらいたい。もしあなたがプロのバスケットボール選手だとして、全く予期せぬタイミングでNBAデビューの機会を与えられたら、そしていきなりドワイト・ハワードとのマッチアップを命じられたら、どんな心境だろう?

これは、ニックスの新人マーシャル・プラムリーに実際に起こった出来事だ。『NewYork Post』が伝えている。

11月20日の朝10時、プラムリーはニックスからの電話で叩き起こされた。先発センターのジョアキム・ノアが体調不良で出場を回避することになったため、12時開始のホークス戦に間に合うようマディソン・スクエア・ガーデンに来るように、との連絡だった。

プラムリーは、「あまりにもクレイジーな話で、一冊の本にまとめられるよ」と、記念すべきNBAデビュー戦を振り返っている。

それからは慌ただしかった。プラムリーは、ブルックリンでのネッツ戦に備えニューヨーク入りしていたトレイルブレイザーズに所属する兄、メイソン・プラムリーと前夜に会っており、帰宅したのは24時を回っていた。

この日、プラムリーは夕方からDリーグの試合に出場する予定だったため、昼までは寝ていられるはずだった。そのため、10時にまだ寝ていたのだ。

それでもNBAデビューの機会を逃す手はない。すぐに身支度を整え、最寄駅から急行電車に飛び乗り、グランドセントラル駅に向かった。そこからタクシーに乗ったものの、ニューヨーク名物の大渋滞に巻き込まれてしまう。

プラムリーはドライバーに60ドル(約6600円)のチップを払い、赤信号も突っ切るように頼み込んだ。それでも渋滞からは抜けきれず、会場の手前でタクシーを降り、そこからは自分の足でアリーナへと駆け込み、ギリギリで試合開始に間に合った。

「全力疾走したよ」とプラムリーは言う。「チームから『今どこにいる?』というメールが何回も届いたけど、最終的には無視した。彼らはメールがわずらわしいことを知らないのさ」

会場に到着した彼は、チームスタッフから「ウォームアップは必要か?」と聞かれたが、「身体はもう温まっている」と答えた。

結局ベンチスタートだったプラムリーは、5分の出場で1リバウンドを記録。残念ながら万全の状態でデビュー戦を迎えたわけではなかったが、「誰かが悪いわけじゃないから」とプラムリーは言う。

「誰にも予測できない出来事だった。今日のことは誰の責任でもない。それははっきりと言っておくよ。チームは僕に出場時間を与えるため、選手として成長させるためにDリーグに送ってくれたんだから」

リバウンドを取るマーシャル。ホークスとのデビュー戦以来今のところ出場機会は訪れていない。