「今日みたいな試合こそ、私がもっとアタックしなければいけなかった」
「40分間ダラダラと悪い時間帯が続いてしまって、勝ち切る力が自分たちにはなかったなと感じました」
バスケ女子日本代表の馬瓜ステファニーは、セルビアに64-69で敗れた『女子ワールドカップ2022』のグループリーグ第2戦後にこう振り返った。
この試合で日本がリードしていたのは40分間のうち、わずか13秒のみ。ほとんど追いかける展開となった中でも波があった。特に第1クォーターは、高さがありつつ統率されたセルビアディフェンスに苦戦し、9-24とビッグクォーターを許してしまった。日本はなかなかボールを回すことができず、自分たちのタイミングでシュートを打ちきれない状況が続いたが、その中でもステファニーは持ち前のフィジカルを生かした強気のアタックを仕掛けてチームに勢いを与えると、ゲームハイ(タイ)となる6本のフリースローを獲得した。
オフェンスだけでなく、リバウンドやディフェンスでもチームに貢献。得点こそ5得点に留まったが、出場時の得失点差を表すプラスマイナスはほとんどの選手がマイナスとなった中でステファニーはチームハイの+9を挙げた。
積極的なアタックやゴール下での争いにより多くのファウルを誘発したステファニーだが、「行くと決めたからには、最後のフィニッシュまでしっかりと決めたかった」と悔しさを露わにした。「ディフェンスでもローテーションが間に合わなくて、最後に相手にシュートを決められてしまいました。そういうのが精神的にも一番キツいので、自分もディフェンスの中で相手を止めきれなかったのが悔しいです」
また、第3者から見れば、ステファニーは積極的にアタックを仕掛けていたように思えたが、本人は「今日みたいな試合こそ、私がもっとアタックしなければいけなかった」と続けた。「ちょっと迷ってしまったり、悪い流れの時にターンオーバーをしてしまったところがあとあと響いてきたなと感じました。なので、そこはしっかりと反省して次に生かしたいです」
ステファニーが「あとあと響いてきた」と言うように、日本は前半を終えた時点で4点差にまで詰めていたが、その後はあと一歩のところまで行くも、なかなかリズムをつかむことができずに敗れてしまった。
相手のスカウティングを「上回らない限り次には行けない」
この試合で日本はチームとして、シュートタッチに苦しんだ。昨日のマリ戦では37本中16本もの3ポイントシュートを成功させたが、今日のセルビア戦では22本中5本成功に留まった。強豪チームを相手に、日本の生命線である長距離砲が決まらなければ厳しい展開になるのは目に見えている。もちろん、シュートは水物と言われるように入らない時はある。また、東京五輪で日本は銀メダルを獲得したことで世界でも追われる立場になっただけでなく、今日の対戦相手セルビアを率いるのは昨シーズンまでの2シーズンに渡ってデンソーで指揮官を務めたマリーナ・マルコヴィッチであることから、日本のバスケットや個々の特徴を熟知している。
ステファニーは「やっぱり個人個人についてすごく研究してきているなと感じた」としつつも、「だからこそ、それを上回らない限り次には行けない」と危機感を語る。
また、生命線である3ポイントシュートについても「逆に3ポイントシュートが第一オプションになりすぎて、他のところの動きとかが詰めきれていなかったのが今日の試合で分かりました」とも言う。「昨日はマリのディフェンスが中に寄ってくれたのでシュートを打てましたけど、そこをちゃんとアジャストしてきたセルビアに対しては、自分たちが対応しないといけなかったです」
グループリーグを突破できるのは、6チームのうち上位4チームのみ。5試合総当たりのグループリーグで日本は今、1勝1敗となっている。もちろん、負けていい試合なんてないが、ステファニーが言うようにこのセルビア戦で気づきはあった。
日本は中一日を挟んで、25日にカナダ代表と対戦し、その後26日にフランス、27日にオーストラリアと強豪国との対戦を控えているだけに、まずは今日の反省をカナダ戦に生かしてほしい。