涙の復活を遂げたデリック・ローズ、キャリアハイの50得点「必死に努力してきた」

2018/11/01
NBA&海外
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デリック・ローズ

写真=Getty Images

「バスケットボールが自分を離してくれない」

NBA史上最年少でシーズンMVPを受賞し、一時代を築いたデリック・ローズは、今シーズンから本格的にシックスマン転向を果たし、ティンバーウルブズのセカンドユニットを牽引している。

そのローズが、ホームで行なわれた10月31日のジャズ戦で、キャリアハイとなる50得点を記録。3点リードで迎えた試合終了間際には、ダンテ・エクサムの3ポイントシュートをブロックで阻み、守備でも勝利に貢献した。

2011年にMVPを受賞した華々しいキャリアは、もう懐かしささえ感じさせる。2012年のプレーオフで左ひざ前十字靭帯を断裂してから、彼のキャリアは一変した。重傷から復帰した後も2シーズンに続けて右ひざ半月板を損傷。かつてのような爆発力のあるプレーは見られなくなった。

そんなローズがこの日は先発起用され、7年前の全盛期を取り戻したかのようなパフォーマンスを披露した。ホームのファンから「MVP!」チャントで称えられ、試合後コートでインタビューを受けたローズは、目に涙を堪えながら「必死に努力してきた結果。球団、ファンのためにプレーした結果。みんなのためにプレーしたいんだ」と言葉をしぼり出した。

「今日は自分のプレーをしただけ。この若いチームで模範を示し、リードしたい。キャリアを通じて、いつだってチームメートにアドバイスを送って来た。それが自分の役割だから」

ブルズ退団後、ニックス、キャバリアーズを経て、ローズは再び恩師であるトム・シボドーの下でプレーする機会を得た。今の役割はブルズ時代とは異なり、一人でフランチャイズを背負う必要はない。ローズは先日、『The Athletic』に「今はリラックスしてやれているんだ」と語った。

「もう過去を振り返らないし、その必要もない。このチームにはルー(ルオル・デン)、タージ(ギブソン)、ジミー(バトラー)もいる。今の自分は昔とは違う。このリーグで生き残るには、シュートを決めないといけない。今の方が自分のプレーをコントロールできていると思うし、以前よりも良いペースでやれている。選手として成熟したけれど、もっとプレーする自分や、チームが勝つところを見てもらわないと、世間には理解してもらえないと思っているから」

以前のような爆発力はなくても、ローズのプレーは間違いなくレベルの高いものだ。ニックス、キャブズ時代には、シーズン中にチームを離れる行動を取り、選手としての評価を下げたこともあった。昨シーズンにキャブズを離れていた期間中には、度重なる負傷により精神的に落ち込み、このまま引退するのではないかと報じられたが、メンタルの弱さを指摘されたのが嘘のように、今のローズは充実している。今後についても、可能な限り現役を続けることを希望している。

その理由は、息子と娘に生き樣を見せるためでもあると、ローズは言う。「バスケットボールが自分を離してくれない。自分に限界は作らない。今すぐに辞めようと思えば、そうすることもできる。でも、自分には子供がいるんだ。息子と娘に、いつかこう言えるようになりたい。『言い訳は聞かない。不平不満を言わず、自分で対処しろ。自分がやりたいこと、やるべきことをやるんだ』とね」

「自分は、こういう考えで子供を育てていく。言い訳は要らない。すべては自分なんだ。くだらない批判も受け入れないといけない。それを気に留めながら、前進し続けないといけないんだ」

『バスケットボールの神様』は彼を見捨てず、思わぬご褒美をくれた。選手として新たな境地に至ったローズは、これからも淡々とチームのためにやるべきこと続けていくのだろう。しかし、今日は間違いなくローズの日だった。見事な復活劇に、世界中のバスケットボールファンが賛辞を送ったはずだ。