フランス代表GMが明かす「彼はユーロバスケットでプレーしたかった」
フランス代表はユーロバスケットのファイナル進出を果たすも、最後はスペインに敗れた。昨年の東京オリンピックに続く準優勝は立派なものだが、チームにとっては悔しい結果でしかない。
かつてサンズやボブキャッツ、スパーズでプレーし、フランス代表でも長く活躍したボリス・ディアウは現在、フランス代表のGMを務めている。その彼は『RMC Sport』に出演してこうコメントしている。
「バスケは大きく変化しており、チームプレーが進化し、画一化している。20年前にはセルビアにはセルビアの、イタリアにはイタリアの、スペインの、ポーランドのスタイルが存在していたが、今は多かれ少なかれ同じバスケをやっていて、違いを見分けるのが難しい。ピック&ロールが流行ればどのチームも使うし、3ポイントシュートの増加もそうだ」
「しかし変わらないのはバスケが5対5で行われるチームスポーツであることで、その中で選手層の重要性が増している。10番目から12番目の選手までローテーションに入っていないと良い結果は得られない。ニコラ・ヨキッチもルカ・ドンチッチもヤニス・アデトクンボも素晴らしい選手だが、一人の選手でメダルを獲得することはあり得ないし、それはどのチームにも言えることだ」
そして彼は、ファイナルで勝つためフランス代表に大きな補強をしようとしている。NBAで5度のオールスターに選出され、昨シーズンは得点王となったジョエル・エンビードのフランス代表入りだ。カメルーン出身のエンビードは2017年のアフロバスケットに出場する可能性があったが、カメルーン代表ではプレーしない決断を下した。そして今年7月にフランス国籍の取得が認められている。
ディアウは言う。「ジョエルはフランスのパスポートを取得した。私としては良い選手をできる限り集めて、良いプレーをするチームを作りたい。彼はコンディションの問題さえなければユーロバスケットでプレーしたかったんだ」
ゴベアとエンビードが同時にコートに立つにせよ交互にコートに立つにせよ、エンビードが加わればフランス代表は確実に強くなる。ケガの少なくない選手だけに、1年中プレーし続けることのマイナスは懸念されるが、自国開催のパリオリンピックに向けて、フランス代表には大きなインパクトがもたらされる。