第2クォーター、受け身に回った名古屋Dが沈む
バイウィーク明け、混戦模様の西地区で上位を狙う名古屋ダイヤモンドドルフィンズと琉球ゴールデンキングスが対戦した。
立ち上がりは名古屋Dのペース。初招集となった代表合宿から戻って来た中東泰斗の3ポイントシュートで先制し、大黒柱のジャスティン・バーレルが快調に得点を重ねていく。
琉球は歯車が噛み合わず、シュートまで行かないまま自分たちのミスでターンオーバーになってしまうシーンが目立った。それでも積極的にリングに狙う姿勢を失わず、第1クォーター終盤から追い上げ開始。第2クォーターに入って選手間の呼吸のズレを修正すると、この積極性が生きてくる。
流れが良くなった第2クォーター途中から、この試合がデビュー戦となったレイショーン・テリーが結果を出す。思い切って放った3ポイントシュートを決めて琉球での初得点を挙げると、その直後の攻撃では低い体勢でゴール下までドライブで切り崩してレイアップで得点。田代直希の3ポイントシュートを挟んで、またもテリーの3ポイントシュートが決まり、約2分間で13-2のラン。
名古屋はこの間、データのないテリーの『大当たり』に戸惑ってしまい、琉球のオフェンスを止めることができない。オフェンスリバウンドは再三奪っており、そこから活路を見いだす可能性もあったが、タフショットを決め切ることができず得点を伸ばせなかった。
岸本隆一も3ポイントシュートを決めて琉球が37-17とリードを20点に広げたところでオフィシャルタイムアウト。以後は名古屋Dが冷静さを取り戻すも、前半を終えて43-25と大きな差がついた。
接戦に終止符を打つ決定打、岸本の超ロングシュート
後半に入ると名古屋Dが反撃開始。代表組の張本天傑と笹山貴哉がオフェンスにリズムをもたらし、素早いパスワークで琉球のディフェンスを崩していく。バーレルのアリウープダンクが飛び出すなど、流れは完全に名古屋D。琉球は喜多川修平が相手の勢いを削ぐような得点を要所で決めるものの、第2クォーターの猛攻を演出したテリーがファウルトラブルでコートに立てず、推進力を欠いた。
62-49と琉球の13点リードで第4クォーターへ。いきなり石崎巧の3ポイントシュートを浴びて62-52と10点差に。テリーが使えず、喜多川も足首を痛めてベンチに下がるという状況、石崎の巧みなゲームメークで名古屋Dが追い上げる。
タイムアウトを取るも相手の勢いは止まらず、藤永佳昭にスティールからの速攻を決められ、これで第4クォーター立ち上がりから10-0のラン、62-59と1ポゼッション差にまで詰め寄られてしまう。
ただ、ここから琉球も踏ん張る。石崎のパスによる揺さぶりに耐えてイージーシュートを打たせず、このクォーターに入ってようやくの得点を、大宮宏正が2本のフリースローでチームにもたらす。
ようやく名古屋Dの勢いを止め、一進一退の展開となった残り3分17秒、岸本のビッグプレーが飛び出す。外でボールを持った岸本は、マークについた204cmのバーレルに対してステップバックで距離を置くと、3ポイントエリアから約2メートル離れた位置からロングシュートを沈める。これで72-63と名古屋Dを突き放した後、琉球は巧みに残り時間を使い、74-66で勝利を収めた。
琉球はラモント・ハミルトンの13得点を筆頭に、テリー、喜多川、マクヘンリーと4人が2桁得点を記録。前日の練習でケガをして出場が危ぶまれた喜多川が30分以上プレーする活躍、さらには新戦力テリーが上々のデビューを飾り、連敗を3で止めた。
試合後、キャプテンの石崎は「前半は少し気負いすぎてしまった印象でした。後半で修正した分を含め、最初から落ち着いてプレーをして、自分たちのバスケットを取り戻したいと思います」と意気込んだ。今日も同じく愛知県体育館で、14時より試合が行われる。