奮闘した選手、コーチングスタッフについて「誇りに思う」と感謝
ユーロバスケット2022、ボスニア・ヘルツェゴビナはグループリーグでルカ・ドンチッチが牽引する難敵スロベニアを撃破したが、2勝3敗に留まり決勝トーナメント進出を惜しくも逃した。
トレイルブレイザーズのユスフ・ヌルキッチは昨シーズン故障で3月以降の試合を欠場していたが、同国代表としてフル稼働。グループリーグ5試合で平均29.9分プレーし、16.2得点、7.0リバウンドと奮闘したが、一方でフィールドゴール成功率38.9%と本領発揮とはならなかった。
ただ、ヌルキッチに限らずボスニアの面々は、決して万全とは言えないサポート体制の中で見事なパフォーマンスを披露したと言える。何故なら同国バスケットボール協会は深刻な財政難に陥っており、一時はユーロバスケット出場も危ぶまれていたからだ。それを示す1つのエピソードとして、ヌルキッチは自身のインスタグラムに、飛行機のエコノミーの狭い席にチームメートと座る自身の姿を投稿している。
『BASKETNEWS』は、地元メディアに語ったヌルキッチの発言を紹介している。「常に良いことか、悪いことがあり、その中間はない。混乱した状況の中で印象的な活躍をしてくれた選手、コーチ、プロフェッショナルなスタッフたちを誇りに思う。僕たちはベストを尽くしたし、ボスニア・ヘルツェゴビナを誇りに思うことができる」
このように大会を振り返ったヌルキッチだが、協会の状況改善について自身が介入できるならその気はあると語る。「協会の会長、ディレクター、理事会について僕に任せてくれれば、ボスニア・ヘルツェゴビナは二度と大会の準備、ホテルや食事の手配に困ることはない。もし、僕に任せてもらえるのであれば、すべてのことを引き受ける用意がある」
「代表チームがすべてに優先されることを理解しないといけない。どんな状況であれ、選手たちには最高の条件が与えられるべきだと知る必要があると思う」
今大会、ボスニア・ヘルツェゴビナは欧州の列強たちとも十分に渡り合える力を持っていることを示した。それだけにさらなるステップアップへ向け、協会はヌルキッチのサポートも受けて一刻も早く財政状況を改善し、代表チームへのしっかりしたサポート体制を確立したいところだ。