「恩塚さんのバスケットを体現できるように頑張りたい」
バスケットボール女子日本代表は金メダル獲得を目標に、9月22日から10月1日にかけてオーストラリアのシドニーで開催される『女子ワールドカップ2022』に挑む。
日本を代表する『3&D』プレーヤーの宮澤夕貴は、ワールドカップに向けて「自分の役割である3ポイントシュートをまずはしっかり決め切ること」と、自身のやるべきことを語る。「あとはチームのために自分ができることをやる。リバウンドや味方を生かすようなプレー、アグレッシブなディフェンスで恩塚(亨)さんのバスケットを体現できるように頑張りたいです」
本人が言うように宮澤の一番の強みは3ポイントシュートだ。特にポジションに関係なくチーム全員が3ポイントシュートを打つ日本において、シューターである彼女が先陣を切るのは重要なポイントになる。
しかし、お盆に行われたワールドカップ前、最後の国際親善試合となったラトビア戦での日本代表は生命線である3ポイントシュートに当たりが来ず、宮澤自身も第2戦は5本中1本成功と苦しんだ。ラトビア戦は3ポイントシュートが当たらなかったものの、チームで堅守を貫き2試合ともに勝利したが、ワールドカップ本大会で同じようなゲーム展開にするわけにはいかない。
宮澤はラトビア戦を振り返りつつ、「躊躇するのが一番良くない」と言う。「いくらシュートが入らなくても打つべきだと私は思っています。そういう部分を若い選手たちにやってもらうためにも、自分がしっかりと打ち切るところを意識したいです。この前の親善試合でも私自身が打つのを躊躇するようなプレーをしていたので、そういうところは見せないように。自分も打ち切るようにしたいです」
「みんながプレーしやすいように自分はどうしたらいいか」
長年、日本代表の中心選手として走り続けている宮澤は、リオ五輪の時は23歳とチームの年少組だったが今回の代表メンバーの中では髙田真希、渡嘉敷来夢に次ぐ上から3番目の年長者となった。
今ではコート内外でチームを引っ張る存在になった彼女だが「特に『私が絶対に引っ張ろう』というのは前の方が感じていました。今はチーム内で『みんなで頑張ろう』という感じがあるので、そういう面で引っ張っていきたいのと、フォローをしてあげたい気持ちがあります」と心境の変化を語る。「誰かが困った時に、サポートで早く動いてあげたりとかは意識しています。みんながプレーしやすいように自分はどうしたらいいか。『チームのためにできることをやらなきゃ』という気持ちが前より増えました。若い子たちはアグレッシブにやってくれるので、サポートという意識が芽生えました」
得点力はもちろん、安定感のあるディフェンスに当たり負けしないフィジカルなど、数字には残らない部分での貢献度も高い宮澤は日本代表でも替えがきかない存在だ。そんな宮澤が今大会でどのような活躍を見せてくれるのか楽しみだ。