ティロン・ルー

写真=Getty Images

再建モード突入なら優勝メンバーの一斉放出も

10月28日、キャバリアーズのコビー・アルトマンGMは、へッドコーチのタロン・ルー解任を発表した。理由は成績不振。キャブズは開幕からラプターズ、ティンバーウルブズ、ホークス、ネッツ、ピストンズ、ペイサーズに敗れ、6連敗を記録。前年のNBAファイナルに進出したチームとしては史上ワーストのスタートを記録した事態を重く見た首脳陣は、指揮官交代を決断した。

ルーは、2014年6月にキャブズのアソシエイト・ヘッドコーチとしてコーチングスタッフに加わり、前ヘッドコーチのデイビッド・ブラットが解任された2016年1月からチームの指揮を執った。2016年にファイナル史上初となる1勝3敗からの大逆転優勝に導いた実績を含め、レギュラーシーズン128勝83敗(勝率60.6%)、プレーオフ41勝20敗(勝率67.2%)という成績を残した。

ひとまずはアソシエイト・ヘッドコーチのラリー・ドリューが暫定的に指揮を執る。

レブロン・ジェームズがオフにレイカーズに移籍した時点で、今シーズンの低迷はチームも想定していたはずだ。それでも、今夏キャブズと契約を延長したケビン・ラブを筆頭に、同じく2016年の優勝メンバーであるJR・スミス、トリスタン・トンプソンといった実力派のベテランがいれば、プレーオフには進出できるという期待はあった。

その見込みが間違っていたと判断したクラブはルーの解任を決めた。今後はチーム再建に向けて動く可能性が高い。昨シーズン開幕前にカイリー・アービングを含む大型トレードを成立させ、シーズン中にもドウェイン・ウェイド、デリック・ローズ、アイザイア・トーマスの放出に踏み切ったアルトマンGMなら、スミス、トンプソン、ジョージ・ヒル、カイル・コーバーらを一斉放出し、有望な若手とトレードすることも考えられる。もちろん、ケビン・ラブであってもトレードの対象になり得る。

キャブズは、これからの球団を背負って立つ存在として、ドラフトでポイントガードのコリン・セクストンを指名した。今シーズン平均11.2得点、2.2アシストを記録しているセクストンはまだ先発出場の機会を与えられていないものの、再建モードに突入するとなれば今後はスターターとして使われるだろう。

この決断が吉と出るか凶と出るか、キャブズの今後に注目したい。