コリン・セクストン

4年7200万ドルの新契約を得てのサイン&トレードに

コリン・セクストンはドノバン・ミッチェルのトレードの一部としてキャバリアーズからジャズへと移籍することになった。これは彼にとってメリットが大きく、ケガで停滞したキャリアを再浮上させる機会となる。

現在23歳のセクストンは、2018年ドラフト全体8位指名でキャバリアーズに入団。1年目から主力として活躍し、3年目の2020-21シーズンには平均24.3得点、4.4アシストとエース級の働きを見せた。しかし、4年目の昨シーズンは膝の故障により早々に戦線離脱し、11試合の出場に留まった。

これがバックコートでコンビを組んでいたダリアス・ガーランドの大ブレイクを呼んだ。セクストン不在でオフェンスの全権を担ったガーランドは、21.7得点、8.6アシストを記録してキャブズ躍進の立役者となり、マックス額での契約延長に合意。こうなるとキャブズはサラリーキャップの問題でセクストンに良いオファーが出せなくなる。

キャブズは今オフに3年4000万ドル(約56億円)の新契約を提示したが、彼は年俸2000万ドルを希望して合意に至らなかったとされる。今オフに入り、制限付きフリーエージェントとなっても他のクラブは獲得に動かず、ルーキー契約の最終年にキャブズでケガからの復活、自分の価値をあらためて証明しなければならない状況にあった。

そんな彼にとって不利な状況が今回のトレードで変わった。年俸をマッチさせる意味もあって、セクストンにとってはサイン&トレードとなり、4年7200万ドル(約100億円)の新たな契約を得た上でジャズに加わることになったのだ。希望額である年俸2000万には満たないが、キャブズの提示した内容よりはずっと良い。セクストンとしてはリスクを冒すことなくこの新契約を手にしたことになる。

ジャズは再建に舵を切り、マイク・コンリーやボーヤン・ボグダノビッチ、ジョーダン・クラークソンといった残る主力も今オフに、あるいは新シーズン途中にトレードされる可能性が高い。少なくとも新シーズンは勝てるチームではないが、ケガから復帰するセクストンにとっては、オフェンスの全権が与えられて、完全復活をアピールしやすい環境になるはずだ。

セクストンのキャリアはケガで少々回り道を強いられることになったが、挽回のチャンスは大いにある。2018年にドラフト指名を受けた時点でレブロン・ジェームズに「一緒にファイナルへ行こう」と呼びかけ、カイリー・アービングの背番号2を引き継いだセクストンは、活躍の場をジャズへと移してキャリアを築いていく。