スティーブ・カー

「ヤニスのコーチをしてみたい。彼は素晴らしい選手だ」

スティーブ・カーは2014年にウォリアーズのヘッドコーチに就任すると、新米ヘッドコーチながら就任1年目にチームをNBA優勝へ導いた。2年目はレギュラーシーズンで前人未到の73勝(9敗)という歴代シーズン最多勝利記録を更新し、2016-17シーズンから2連覇を成し遂げた。2019-20シーズンからの2シーズンは主力のケガもありプレーオフ進出を逃したが、その間に若手に経験を積ませると、昨シーズンはステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンのコアメンバーと若手を見事に融合させNBAの頂点に返り咲くなど、ここ8シーズンで4度のNBA優勝、6度のファイナル進出に導いている。

ウォリアーズだけでなく、2017年から2021年までグレッグ・ポポビッチの下、チームUSAでアシスタントコーチを務め、東京オリンピックでの金メダル獲得にも貢献。東京オリンピック後にはポポビッチの後を引き継ぎ、チームUSAの新ヘッドコーチにも就任するなど、まさにNBAを代表するヘッドコーチの一人となった。

ウォリアーズとチームUSAで多くのスター選手をコーチしてきたカーは『FilGoal』の取材で、「ウォリアーズ以外の選手でコーチングしたい現役選手は誰か?」と問われると、バックスのヤニス・アデトクンボの名を挙げた。

「ヤニスのコーチをしてみたい。彼は素晴らしい選手だからね。それだけじゃなくて、人としても素晴らしい」

現在27歳のアデトクンボは2013年のドラフト全体15位で加入して以降、バックス一筋で過ごし、2020-21シーズンにはチームをNBA優勝へ導いた。昨シーズンはキャリアハイとなる平均29.9得点と11.6リバウンド、5.8アシスト、1.4ブロックを記録し、満場一致でのオールNBAのファーストチームに選出された。NBAだけでなく、今オフには先日開幕した『ユーロバスケット2022』にもギリシャ代表として出場する。

アデトクンボ自身はバックスへの高い忠誠心を示していて、2020年には球団と2021-22シーズンからの5年の契約延長を結んでおり、当分はチームを去る予定はない。それでも何が起こるか分からないのが、現代のNBAだ。

カーの発言もアデトクンボへのリスペクトや興味から生まれたものだろうが、アデトクンボをカーがコーチングする日が将来訪れることがあったら面白そうだ。