積極性が増したシュートへの意識「狙えるところでは打っていかなければいけない」
トム・ホーバスが男子日本代表のヘッドコーチに就任して以降、ポイントガードの序列は富樫勇樹が最も高い。ホーバスヘッドコーチは富樫をキャプテンに指名し、リーダーとしてチームを牽引していくことを望み、彼もここまでその期待に応えている。一方、2番手以降の司令塔は数多くの選手が招集されていたが、河村勇輝がその座を確固たるものにしてきている。それは今日のカザフスタン戦、ポイントガードの選手が富樫と河村の2人だけであることが何よりも証明している。
カザフスタンとはアジアカップ初戦で戦い、100-68で大勝して以来の対戦となる。この試合、河村はわずか13分のプレータイムで8得点8アシスト3リバウンド2スティールと、強烈なインパクトを与えたのは記憶に新しい。ただ、アジアカップとWindowは別物であると河村は強調する。「カザフスタンはWindowではイランに連勝していますし、直近での中国戦も(56-68で敗戦)遜色ない戦いをしています。あの時から僕たちはステップアップしていますが、カザフスタンもレベルアップしていると思うので、アジアカップの結果はそこまで気にせずに、自分たちのやるべきことをしっかりとやって勝ちたいです」
ここまで河村は、サイズ不足を補うコンタクトの強さと抜群のボール嗅覚を生かした平面での激しいディフェンスでゲームチェンジャーの役割を果たし、オフェンス面では視野の広さを生かしたパスで味方の得点を演出してきた。ただ、今月中旬に行われた強化試合では「彼はシュートもあるのに何で打たないんだと思う」とホーバスに注意されるなど、消極的なシュートセレクションが課題となっていた。
それでもWindow4初戦のイラン戦では、11分の出場でフィールドゴール5本とシュートチャンスでしっかり打ち切っており、指揮官の要望にすぐに対応している。河村はシュートへの意識をこのように語る。「自分の意識を少し変えるだけでできることだと思うので、そんなに難しいことではなかったです。これはトムさんから求められていることで、僕自身狙えるところでは打っていかなければいけない気持ちでアテンプトを増やしました。打てるところで打てた感触はあるので、あとは決めるだけかなと思います」
今日の試合が終わると、Bリーグ開幕まで約1カ月ということもあり11月中旬のWindow5まで代表チームは一時解散となる。河村は6月のディベロップメントキャンプからずっと代表活動に参加しており、「僕がこれまでこの約3カ月間やってきた集大成の試合になります」と意気込んでおり、コートで縦横無尽に躍動する準備はできている。
「最後に良い結果を残して終わることが自分にとってのこれからの自信になりますし、逆にここで不甲斐ないプレーをしてしまうとこれまでやってきたことの積み重ねで悔しさが残ると思います。僕自身、この3カ月間で成長できたと思いますし、しっかりと結果を残して良い締めくくりができるように頑張りたいです」