「ステフやクレイ、アンドレも代表でプレーすることを喜んでくれた」
ジョナサン・クミンガは激動の1年間を過ごし、今はDRコンゴ代表のためにプレーしている。昨年7月末に行われたNBAドラフトで、高いポテンシャルは持っていても上位チームの即戦力ではないと見られていた彼は、ウォリアーズから1巡目7位指名を受けた。そして、長いシーズンを戦う中でアンドレ・イグダーラを始めとする経験あるチームメートから学んで信頼を勝ち取り、史上最年少プレーオフ先発出場を果たし、チームのNBA優勝に貢献した。
シンデレラストーリーを実現した彼が次に目標に据えたのはDRコンゴでプレーすることだ。14歳でアメリカに渡った彼は代表チームでの経験がない。そしてDRコンゴはオリンピックやワールドカップにいまだ出場したことがない。それでも彼は今回のWindowが始まる前に『FIBA.com』に「今まで出場したことがないとしても、チャンスはある」と言い切っている。
「NBAでプレーして、国のために戻って来たことは僕にとって大きな意味がある。僕はこの国で生まれた。NBAで活躍して、また自分の国に戻ってプレーすることは、すごく楽しみなんだ」
「兄貴分のサージ・イバカは代表でプレーすべきだと勧めてくれた。ステフ(カリー)やクレイ(トンプソン)、アンドレ(イグダーラ)も僕が代表チームでプレーすることを喜んでくれたよ」
8月26日に行われたカメルーン戦が、彼にとってはDRコンゴでの代表デビュー戦となったが、期待通りの結果は出せなかった。立ち上がりに動きが重く、第1クォーターで5-21と大きく出遅れ、そこから反撃に転じて残り1分で追い付いたものの、最後は69-71と競り負けた。
クミンガはゲームハイの18得点を記録したものの、うち10得点はフリースローで稼いだもので、フィールドゴールは15本中4本成功とシュート精度を欠いた。
DRコンゴのヘッドコーチ、エマヌエル・マボノは「我々は新しいチームであり、新しい選手と戦術で戦っている。何人かの選手は2日前に合流したばかりだ。戦うエネルギーは出せたが、勝つには少しだけ足りなかった」と語り、こう続けた。
「試合後もロッカールームの雰囲気はすごく良かった。全員がプライドを持ち、互いに助け合いながらプレーする意思がある。いろんなことが整理されれば、結果は出ると信じている」
しかし、8月27日に行われた南スーダン戦は58-101と完敗。クミンガはベンチから出て16得点を挙げたものの、勝利は挙げられなかった。
DRコンゴはFIBAランキング79で、アフリカの中でも13番手のチーム。NBAで活躍中のクミンガが加わっても、簡単に勝てるわけではない。それでも彼が初心を忘れず、プライドと喜びを持って代表チームでプレーしていれば、状況は必ず上向くはずだ。