グリズリーズがケビン・デュラント獲得に動くも主力選手は交渉の対象外、「何を犠牲にしてでも」の姿勢は示さず

グリズリーズがケビン・デュラント獲得に動くも主力選手は交渉の対象外、「何を犠牲にしてでも」の姿勢は示さず

2022/08/23 08:00
ケビン・デュラント

優勝候補のチームがネッツを納得させるオファーを出すことはない?

グリズリーズがケビン・デュラント獲得に乗り出したと『The Athletic』が伝えている。デュラントは今オフの早期にネッツに対してトレードを要求しており、交渉をまとめられないのであればヘッドコーチとGMを解任するよう伝えたとされる。

デュラントは今のNBAでもトップクラスのタレントだ。アキレス腱断裂の大ケガから一昨シーズンに復帰し、昨シーズンは平均29.9得点、7.4リバウンド、6.4アシストを記録。出場試合数こそ55に留まったが、指揮官スティーブ・ナッシュの「困った時は全部デュラント」という無茶な起用にも応え、内部でトラブルの絶えなかったネッツを引っ張って完全復活を印象付けた。

そのデュラントのトレード要求を受けて、複数のクラブがオファーを出したようだが、交渉はまとまっていない。今回はグリズリーズが動いたが、1巡目指名権を最大5つ出す用意がある一方で、ジャ・モラント、ジャレン・ジャクソンJr.とデズモンド・ベインもトレード対象からは外されているという。

ネッツはデュラントを譲渡する上で、まずはオールスターレベルの選手を要求しているが、グリズリーズはこの条件を満たしておらず、これまで挙がった交渉相手と同じように話は進まないように思える。

もはやこの流れは変わらないだろう。サンズやヒート、セルティックスといった優勝候補は、今あるチームの基盤を崩すリスクを冒したくはない。将来有望なタレントを抱えながらもまだ優勝を争うレベルではないグリズリーズにしても、唯一のオールスターであるモラントはもちろん、ジャクソンJr.とベインさえ譲渡しようとはしない。一昨シーズンに4年ぶりのプレーオフ進出を決め、昨シーズンはファーストラウンドを突破したグリズリーズは、今のロスターでも上積みが見込める。デュラントを獲得するチャンスがあっても「何を犠牲にしてでも」という姿勢ではないのだ。

デュラントがウォリアーズを離れた2019年オフ、彼はアキレス腱断裂で翌シーズンにプレーできないことが決まっていたが、ネッツはそれでも獲得を決断した。当時は30歳で今は33歳となったが、コンディションに懸念がない点では今の方が有利なはずだ。それでもトレード交渉はなかなか進展しない。

結局のところ、デュラントほどのタレントを獲得するチームは「何を犠牲にしてもいい」という姿勢でなければならず、優勝候補のチームはもちろん、その一歩手前にいるグリズリーズにも、それは求められないのだ。レブロン・ジェームズの場合、キャブズ復帰にせよレイカーズ移籍にせよ、成立した時のチーム状況は複数年に渡ってプレーオフから遠ざかっていた。デュラントが2016年にウォリアーズに移籍したのは例外中の例外であり、2度目を狙っても上手くはいきそうにない。ここはデュラントの認識が甘いと言わざるを得ないのだ。

ネッツにはトレード交渉で妥協する理由がなく、この1カ月がそうだったように、この先の1カ月も状況は動きそうにない。9月下旬にはトレーニングキャンプが始まるが、トレードが決まらなかった場合にはデュラントがチーム合流を控える可能性もある。そうでなくともカイリー・アービングが始動日に姿を見せるかは怪しく、ネッツの混沌は収まりそうにない。

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