平下愛佳

外角は不発に終わるも、気持ちを切り替え持ち味の守備で大暴れ

バスケットボール女子日本代表は8月11日に行われたラトビア代表との強化試合初戦を83-54で快勝した。この試合、日本代表は持ち味である3ポイントシュートが36本中8本成功に留まり、長距離砲を連続で決めて突き放す日本本来の爆発力を見せることができなかった。それでも終始リードを保つ危なげない試合運びだったのは、前から激しいプレッシャーをかけ続けて18のスティールを奪い、計33のターンオーバーを誘発するなどディフェンスが全く崩れなかったからだ。

この堅守の中で特に目立っていたのが、16分42秒のプレータイムで6スティールを挙げた平下愛佳だ。1対1での強さに加え、プレッシャーを受けて相手が苦し紛れに出したパスをカットするボール嗅覚の鋭さといった自身の持ち味を存分に発揮して強烈なインパクトを与えた。

「3ポイントだったりシュートが入っていなかったので、どうにかディフェンスで貢献できるようにとの気持ちでやっていました」と、試合を振り返る平下はスティール量産の理由についてこのように語った。「前からプレスしてプレッシャーをかける作戦ですが、ボールを持った選手にダブルチームを仕掛けてパスを通されたらノーマークの選手が生まれてしまいます。ダブルチームに行った後のスティールをすごく狙っていました。自分の思ったところにボールが飛んできてくれたので良かったと思います」

また、平下は「相手の動きを読んでいるというか、チーム全体でヘルプを意識して練習をしていて、自分のいるべきポジションにいたらボールが飛んできたのが何本かありました」と、周囲との連携があってこそのスティールも多かったと強調する。

平下愛佳

メンバー選考が佳境も「プレッシャーはなく、とにかく自分のプレーを出し切ろう」

一方、オフェンス面では3ポイントシュート4本中成功なしと、シューターの役割を果たすことができなかった。「シュートタッチは悪くはなかったですが、決めなければいけない気持ちから、早打ちをしてしまって自分のタイミングではなかったです」と反省する平下だが、シュートは水物で入らない時もあるのは致し方ない。それよりも「入らなくてもマイナスなことをそんなに考えないようにしています」と語るように、オフェンス面の不調を引きずらずにしっかり切り替え、彼女の大きな武器であるディフェンスで大暴れしたことで、より首脳陣の評価も高くなっただろう。

ワールドカップ本大会まで1カ月と少しとなり、12名のメンバー争いは佳境となっている。まだフル代表での実績がない平下だが、「選考のプレッシャーは特に感じることはないです。ここまで来たら自分のプレーを出し切ろうと考えています」と語り、今回はこの言葉通りの伸び伸びとしたプレーを見せてくれた。

振り返れば、ちょうど1年前となる昨年の8月7日から15日にかけて、平下はU19女子ワールドカップに出場し平均12.4得点、6.0リバウンド、3.6アシスト、1.4スティールと活躍していた。そこからわずか1年でフル代表でも定位置をつかみつつある。右肩上がりで成長を続けている20歳の新星が、ワールドカップ本大会でどんな進化を見せてくるのか。より期待が高まる今回のスティール量産だった。