文=泉誠一 写真=B.LEAGUE

29年ぶりの青山学院記念館

記憶の引き出しを片っ端から探りまくる。そもそも記憶力は良くない。

導き出されたキーワードは、バスケ部の先輩と一緒に観に行ったので「高校1年の時」。「注目選手はウィリー・ヘンダーソンだかアンダーソンだったか」、そのウィリーは後に「スパーズでプレー」していたはず。そして会場は「青山学院記念館」だった。

少ないヒントから調べて見ると、(多分)1987年に行われたサントリーボールあらためフェニックスボール(フェニックスはスキーウェアのメーカー)が青山学院記念館で行われていた。

生中継する日本テレビは、ジョージア大学のウィリー・アンダーソンを注目選手として紹介。他にも2チームほどNCAAディヴィジョン1チームが来日していたはずだが全く記憶にない。各チームに日本人コーチがベンチ入りし、その中にアースフレンズ東京Zのヘッドコーチ、小野秀二もいたような気がする。29年も前の話であり、うろ覚えな情報で本当にすみません。

ナイトゲームだったこともあり、なんとも眩いアリーナに胸が躍らされた感情だけは今でもハッキリと覚えている。その良いイメージが残る青山学院記念館をホームアリーナとするプロバスケットボールクラブが、サンロッカーズ渋谷だ。

プロバスケの試合が大学で行われることは、『規模こそ違えど』本場アメリカでもよくある話。現在、大詰めを迎えているWNBAファイナルではLAスパークスが、一度だけだが南カリフォルニア大学を使用している(普段はレイカーズと同じステープルズセンター)。ダラス・ウィングスはテキサス大学がホームアリーナだ。ネバダ大学ラスベガス校のトーマス&マック・センターは、毎夏、若手の育成を行うNBAサマーリーグの名物となっている。

しかし、同じ大学でも日米ではその規模が圧倒的に違う。アメリカの大学は、NBAと遜色ない立派なアリーナを持っているケースが多い。

人通り多い青山通りに面した好立地

青山通りに面する好立地であり、人通りは多い。リーグ屈指の人気マスコットであるサンディーが外に出て、アリーナに吸い込まれていくファンをおもてなし。ホームゲームを行うだけで、少なからず通りを行き交う多くの方に向けた良い宣伝ができる。

ゲームがある週末には、青山通りの対面で催されているファーマーズマーケットが賑わう。ファッションやグルメなど最先端カルチャーが集まる青山。SR渋谷の会場では、タコベル青山骨董通り店とコラボした美味しい企画が紹介されていた。

芸術と触れ合うことができるのも地の利がある。根津美術館は美術作品もさることながら、秋が深まっていくこの時期は庭園の紅葉が素晴らしい。

国内外のトップアーティストが集うブルーノート東京も、バスケ観戦後にハシゴをしたいオススメスポット。次節は11月19日、20日に青山学院記念館での開催となるが、19日は原田知世、20日はニューヨークで活躍するキーボード・プレーヤー、BIGYUKIのライヴが予定されている。しかし、原田知世はすでにソールドアウトなのは、本当に残念でならない。

足を伸ばせば、他のスポーツだって欲張れる。12月10日に大阪エヴェッサを迎えるホームゲームは18:00ティップオフ。表参道駅の一つ隣にある外苑前駅にある秩父宮ラグビー場では、同じ日の昼間にラグビートップリーグが行われる。

SR渋谷のMCであるパトリック・ユウさんは、ラグビートップリーグも、東京ヤクルトスワローズもMCを務めており、青山界隈のスポーツを股にかける有名人。プロ野球開幕後も続くBリーグなので、春先も青山スポーツ三昧が楽しめる。

11月には三遠ネオフェニックス(11月19日・20日)、新潟アルビレックスBB(11月26日・27日)を迎え、青山学院記念館で4試合が開催される。この秋、閑静な青山の裏路地を歩きながら感性を刺激し、白熱するゲームで歓声を上げるSR渋谷ホームゲームを楽しんでみてはいかがだろうか。